将来の夢は?
と聞かれた時に即答できる人はどれくらいいるでしょうか。
これは特に若者がよく聞かれる質問だと思いますが、この質問に対して答えることに戸惑った人は意外と多いのではないでしょうか。
これから先やりたいことが見つからないという人は多くいます。
就活中で何の仕事に就こうか迷っている人もいれば、
今働いていてもその仕事に満足できず何か別のことを始めたいけど何をするべきかわからない人もいると思います。
夢は大事です。
夢とは目標であり、夢があるというだけで自分の力を伸ばす原動力になります。
もちろん力の伸びやすい若いうちから自分の夢を見つけることはとても重要ですが、年齢は関係なくいくつになっても夢を持つことに意義があるのは間違いありません。
頭ではそれをわかっていても、夢を見つけられないと言う人は少なくないと思います。
しかし見つけたくても夢を見つけられないと思っている人は、夢とは何か勘違いしているのかもしれません。
夢を見つけるのは思っているほど難しいことではありません。
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子どもに”将来の夢”など聞いてはいけない
子どもの頃から学校などで
将来の夢は?という質問がしょっちゅう投げかけられると思います。
少なくとも僕の学校ではそうでした。
この質問に子どものどれほどが真剣に答えていたかはわかりませんが、個人的にこの質問は意味のない質問だと思っています。
むしろ悪い影響の方が多いです。
まず無意味な理由は、
世の中を知らない子どもに将来の夢を自分で選べと言っても不可能だからです。
将来の夢を聞かれるとその質問について考える必要があります。
でも子どもの頃に考える夢は基本的に憧れであり、
さらにその憧れは大抵世間のイメージや大人が作り出すイメージによって生まれます。
わかりやすい例で言えばヒーローに憧れる子どもは多くても、ヴィランに憧れる子どもはほとんどいません。
それは大人によりヒーローはかっこよく、ヴィラン(敵)はかっこ悪く表現されているからです。
でももしその両方が中立的に描かれていれば、
今の世界を守るのがヒーローで、世に変化を起こそうとするのがヴィランです。
そうなると今の世の中に疑問や不満を持っている子は、間違いなくヴィランを応援するはずです。
現実の世の中に本当の正義や本当の悪なんて存在しません。
それぞれ違った信念があるだけです。
でも子どもはそれを知りません。
正義は正義で、悪は悪だと思っています。
なのでまだ世の中を知らない子どもになりたいものを選べと言っても、子ども達が選ぶのは周り(主に大人)が作り出したイメージが良いものです。
よってよほど賢い子でない限り自分の考えで選ぶなんてできないのです。
それでも子ども達に将来を考えさせる上では別にいいんじゃないの?
と思うかもしれません。
しかし先ほど書いた通り、将来の夢を聞くことは無意味なだけではなく悪影響があります。
将来の夢という言葉には落とし穴があります。
なぜならこの質問によって”夢を一つに絞る”ということを意識してしまうからです。
将来の夢はなにかという問いに、答えとして出てくるのは
人物像や、なりたい職業などです。
結果子ども達は憧れである、サッカー選手や、宇宙飛行士、社長、医者、大統領などといった現実性はなくても具体的な答えを出します。
でも具体的な答えを一度ここで出してしまうと、”夢とは具体的なもの”というイメージを持ってしまうんです。
ここが大きな落とし穴であり、
夢を見つけられないと言っている人の多くが勘違いしているポイントです。
夢=職業という考えを捨てる
この将来の夢という言葉の落とし穴にはまってしまった子ども達は、
夢とは具体的なものだというとんでもない勘違いをしてしまいます。
その勘違いが大人になっても頭から抜けず、その結果しっかりと将来を考えなければいけない時に夢=職業という図式を頭の中に画いて夢を探し始めます。
そんな状態で夢を探し始めたところで、夢のような職業がすぐに見つかるはずがありません。
基本的に職業とは社会に需要があるから生まれているものです。
では人の夢は社会に需要があるから生まれるんですか?
違いますよね。
人の夢はその人がやりたいから生まれるんです。それを周りの人がどう評価するかは全く関係ありません。
憧れる誰かに出会うとその人と同じ職に就きたい!と思うこともあるかもしれません。
もちろんそれは仕事を選ぶ上では十分な動機です。
しかしそれでも夢と混合させてはいけません。
夢とは”なりたいもの”ではなく、”自分がやりたいこと”です
夢=職業と考えている人に夢が見つからなくて当然です。
夢を見つけたいのであれば、まずは職業を探すのをやめましょう。
今すぐできる、夢の見つけ方
では具体的にどうやって”夢を見つければ良いか”という話になってきます。
まず夢を見つけらない人には大きく分けて2パターンあります。
何にも興味が持てない人と、いろいろ興味はあるけど選べない人です。
まず何にも興味を持てない人は、夢を探す以前にその理由を考える必要があります。
何にも興味がわかないということは考えることをやめているからです。
長い間考える必要がない環境にいると些細なことを考える癖を失います。
そんな人は子どもの姿勢を学ぶ必要があります。
子どもは何に対してでも興味を示します。
しかし大人になるにつれてその疑問を当たり前で片付けるようになってきます。
子どもが空は青いのになぜ夕焼けは赤いのか聞いてきた時にしっかりと答えられる大人がどれくらいいるのでしょうか?
たとえその理由を知らなくとも大人になると、空だから当たり前と考えるようになりそこに対しての興味を失ってしまいます。
考えることをやめると人は輝きを失います。
子どもの目が輝いているのは、考えることをやめないからです。
疑問に大きいも小さいもありません。
なんでも知らないことには興味を示していくようにしましょう。
いろんなことに興味を持ち始めればその中から、自分がさらに知りたいと思えることが出てきます。
そうなれば、夢探し第一段階は突破です。笑
第二段階の”興味はあるけど選べない人”に進みましょう。
興味があるけどありすぎて選べないという人は何にも興味がわかない人よりかは簡単に夢を見つけられます。
ここで躓いている人は上に書いた夢=職業という図式に囚われている人が多いと考えられます。
なのでまずは自分が一番興味があることを細分化していく必要があります。
夢とは自分がやりたいことです。
自分の興味を細分化することで自分がやりたいことを見つけられます。あとはそのやりたいことを選ぶ手段を見つけていけば良いのです。
例えば、”写真を撮るのが好き”だったとします。
写真が好きだと漠然と考えていれば写真家という選択肢しか浮かばないかもしれません。
しかしそれを”自分はなぜ写真を撮るのが好きなのか”と細分化して明確化するのです。
写真を撮るのが好きな理由は、
カメラ(ガジェット)が好きだから。
自然が好きだから。
撮った写真を人に見せるのが好きだから。
旅が好きだから。
ギャラリーが好きだから。。。。
などなど考えればきりがないくらい出てきます。
そしてもし撮った写真を人に見せるのが好きなのであれば、その理由は、
見る人に感動を与えたいから。
見る人に世界の現状を共有したいから。
見る人に共感して欲しいから。
見る人に世界に興味を持って欲しいから。。。
とさらに細分することでその奥に自分が本当は何を求めているかを知ることができます。
そうやって見る人に感動を与えたいが自分の本当に求めているだとものだと気づけるのです。
その自分が求めていることこそが夢です。
見る人に感動を与えたいのが夢であれば、
人に感動を与えるのは写真家だけではありません。
職業とは夢を叶えるための道具の一つであって、
その道を無理にいかなくとも他にもやり方はいくらでもあります。
一つの職業に就きたいという夢を持っている人は
その職業に就けなかった時に夢を失うことになります。
あなたが医者になりたいのは、
お金持ちになりたいからですか?患者を笑顔にしたいからですか?
お金を手に入れるのも、患者を笑顔にすることも医者でなくてもできます。
サッカー選手になりたいのは、
サッカーが好きだからですか?子ども達の憧れだからですか?
サッカー選手でなくともサッカーはできるし、子ども達に夢を与えることはできます。
夢とはいつも心の中にあるものです。
この世間に知れ渡っている職業などはただの表面に過ぎません。
終わりに
学校の先生を含め、
子どもたちに”将来の夢”を聞く大人の多くが夢とは何かを理解していません。
これからは子どもには”将来の夢は?”と聞くのではなく、
いつでも”君のやりたいことは?”と聞くようにしましょう。
その小さな違いだけで子どもがこれからやりたいことを探す上での対象が変わってきます。
子どもの時から”夢を持とう”などと押し付けておきながら、最終的には”良い会社に就職”という夢とは真逆の選択を子どもに強いているのが日本です。
夢を持てない若者が多くて当然です。
国外に出れば分かることですが、昔の日本の感覚は今は必要なく職業を一つに絞る必要は全くありません。
日本には副業が禁止されている会社は多くあると聞きますが、そもそも本業に影響が及んでいない以上は個人の生活に会社が口を出すことでもないはずです。
いろんな職業を同時にやって最終的に自分なりの人生を見つけて行くのがベストです。
二足の草鞋、結構ではないですか。
職業という見かけに惑わされて自分のやりたいことを見失わないためにも、
今のうちから自分の夢をしっかりと確認しておきましょう。