鍼灸師は今ニュージーランドに永住できるか

 

今日はニュージーランドのビザ関連の話。

 

僕は鍼灸師ですので、ズバリ

日本の鍼灸師は今、ニュージーランドでの永住権は取れるのか

ということについてです。

 

 

今までは比較的取りやすく狙い目だったNZの永住権ですがここ数カ月で二度も移民法が変更されて、僕が当初来た時よりも取得が断然難しくなっています。

 

法律がちょっと変わると道がガラリと変わります。

 

この情報も今は最新でも徐々に古くなってくるはずなので、計画の際には最新の情報かチェックするように心がけてください。

 

そして僕はプロのアドバイザーではないのでビザのアドバイス等はできません。確認や質問等は資格を持つ移民アドバイザーにお願いします。

ゆえにこの記事は一鍼灸師としての情報提供です。

 

 

鍼灸師でNZ永住権を取るプロセス。しかし..

NZの永住権には大まかに分けると三つのカテゴリーがあります。

 

投資家部門(大金が必要)

起業家部門(それなりの資金・NZでの会社の起業と安定した経営が必要)

技能移民部門(技術が必要)

の三つです。

 

上の二つはほぼ無理というか無謀なので(難しすぎて書く気にもならない笑)、

鍼灸師であれば通常技能移民部門(Skilled Migrant Category)の部門で申請になると思います。

 

技能移民部門は先に書いた通り、

 

技術職を持っていて、移民局が定めたポイントを一定以上持ってると、お金もかからずに取得できるよ

というものです。

 

幸いなことに鍼灸は技術職として認められているため

これに申請することができます。

 

しかしこの技能移民部門、

去年(2016)の10月今年(2017)の4月

非常に大きな変更がありました。

 

 

それ以前の数年間はこうでした。

技術職を持ち、ポイント100以上で申請可、140以上で確定。

英語力の証明としてIELTS6.5以上。

もしくは英語圏の大学以上を卒業、もしくはNZでの同じ技術職としての経験が1年以上。

 

自分のポイントを知りたい方はPoint Indicatorから試してみてください。日本語ではこちら

 

NZで仕事さえ決まれば、鍼灸師であればほとんどの方が100点には達するのではないでしょうか。

 

そして英語が拙くても、一年以上NZでその職に就いていれば語学力証明は免除というなんとも優しい設定。

これに助けられた日本人はかなり多いのではないでしょうか。

 

 

しかしこれが変わったのが去年の10月。

 

変更後は、

技術職でポイント160以上から申請可かつ確定。

英語力の証明としてIELTS6.5必須(他の英語力の証明でもOK)。

もしくは例外として英語圏の大学以上卒業+英語圏での職歴5年以上。

 

いきなりこれです。

最低限のポイントが一気に60上がり、100から取れるチャンスがあったのが160以下だと希望は無くなってしまいました。

上のカリキュレーターで計算してみればわかる通り、この数字の差はかなりでかいです。

 

そして語学面もテストを受けてそれなりの語学力を証明することが必要となりました。

 

これは発表の翌日からの改正だったでこれを聞いて急いで準備したとしてもまず間に合いません。

なのでなかなか移民を考えている人の心を打ち砕く内容でした..

 

 

それでもIELTSで6.5を取って、

頑張ってポイントを何とかあげることができたとして160に達することができればそれでも取得可能なので絶望するのはまだ早いかもしれません。

 

今のところはですが。。

 

なぜかと言うとその後またルールが追加されました。

先月に発表され二回目の大きな変更最低収入の設定です。

 

今まではその技術職別で平均以上の収入をもらっていればよかったのですが、今ではどの職業も技能移民でも申請はNZの平均年収よりも上、つまり

年収$48,859(約370万ほど)以上の収入がないと技術職として認められなくなります。

(詳しい金額はまだ未定のようでこれから前後するとは思います)

 

つまり鍼灸=無条件で技術職ではなくなるんです。

 

ちなみに技術職じゃない仕事でも、年収が$73,299(約570万)以上あれば技能移民として認められるようです。

 

つまりその職業が技術職かどうかという認識よりも収入などの面で、

その人が実際にどれくらい社会に貢献しているかを重要視するということです。

 

 

だだそれなりの技術があったとしてもこの金額設定はなかなかクリアするのは大変だと思います。

 

なぜなら鍼灸師で高収入を得る人のほとんどはクリニックを開業してきた人です。

永住権を持つ前は開業もできませんので、必ず雇われた身でこれをクリアする必要が出てきます。

 

しかし今回発表されたこの法律は今年の8月から施行されるようです

 

それまでに急いで申請できる人は申請すれば年収が足りなくても間に合うはずです。

でもポイントが足りないなどで、その状況がまだ整っていない人はそれまでにはどうすることもできませんね。

 

ちなみに8月から就労ビザの法律もいろいろと変更があるみたいです。

 

 

今まで移民に寛容だったNZですが

去年から明らかに対応を変え始めています。

 

 




 

 

法律変更後、永住権は現実的に取れる?

今まではNZで永住権を取るのは比較的簡単でした。

 

というか逆に今までが簡単すぎたくらいで、英語が喋れなくても、ポイントが少なくても取れる人がたくさんいました。

 

なのでNZの永住権を持ってて何年も住んでても英語がほとんど喋れないという人は結構多いです。

 

なのでこれが国として正当な流れだとは思います。

 

取れる可能性はまだ大いにあります。

しかし正直言うと今のこの法律では日本から来たばかりの鍼灸師が永住権を取得するのはなかなか難しいかと思います。

 

 

 

まずは勿論英語です。

日本で英語を勉強している方はいるとは思いますが、それでも留学経験等もなくIELTS6.5を取れる方はかなり限られるのではないかと思います。

 

よくTOEICとIELTSの得点を比べた表などがありますが、正直全く当てになりません

 

リスニングとリーディングのインプットだけをするTOEICと違い、IELTSはそれに比べスピーキンングとライティングというアウトプットが必要とされますし、問題の難易度も違います。

 

机で勉強するのが得意な日本人にとって英語のアウトプットはもっとも苦手な分野です。

 

TOEICで高得点を取ったことがある人でも、テスト形式自体が全く違うので結果はかなり変わってくると考えて間違いはないと思います。

 

これで点数に達せない場合は、まず永住権への道は開けません

 

(後日英語についても記事を書きました。参考までにどうぞ

どのようにして英語を身につけたか

 

 

 

 

そして次の課題は年収です。

鍼灸師である程度英語が喋れれば、NZで仕事を見つけるのはそこまで難しいわけではないと思います。

 

しかし、仕事が見つかったとしてもNZの平均収入の$48,859を超える額がもらえるかというと、それなりに難しくなってくると思います。

 

特に外国人の雇用は、ビザなどで雇用主にもそれなりの負担がかかります。

なのでその負担の上にその給料が必要となると、雇用側としてもなかなか考えなければならなくなってくると思います。

 

 

でもまだ可能性はあります。

日本人鍼灸師の数は少ないので日本式の鍼灸や日本独特の技術を積んだ方だとまだチャンスはあるかと思います。

 

そういった仕事見つかるかどうか、それはどうしてもによります。

 

どうしても日本人の鍼灸師が欲しい、あなたの技術が欲しいと言ってくれる会社が見つかれば全然行ける範囲だと思います。

 

一つ確認すべきなのは、ニュージーランドでもクリニックには正社員(Full-Time worker)契約社員(Contract worker)の二つがあり、契約社員だと診た患者の数だけ給料が発生するということが殆どです。

 

これからの法律では年収をしっかりと提示しないといけないので、固定給を貰える正社員の方が間違いなくやりやすいと思います。

 

契約社員であればどうやって年収の証明をするかは僕は分からないので、知りたい方はプロのアドバイザーに聞くことをお勧めします。

 

 

 

 

この二つをクリアできれば、あとは点数です。

上にも書いた通り、160に達していなければ今のところ永住権には結びつきません。

 

これもなかなかな課題です。

 

ちなみに今の僕の点数をはこんな感じです。

 

NZで技能職(鍼灸師)として12ヶ月以上の就労————-60点

年齢25歳—————–30点

学歴Level7(Bachelor 大卒)————–50点

同じ技術職(鍼灸)で職歴2年以上———–10点

NZでの職歴1年以上————-5点

 

合計155点です。

 

まだ足りません笑

 

大学を出てて、一番高い点数が貰える20代で、鍼灸の職歴2年以上、NZでの職歴1年以上で、ギリギリ届かないくらいです。

 

この5点を伸ばすにはあと1年NZでの就労が必要です。それからようやく永住権に申請する権利があります。

 

僕よりも経験がある方は点数は達成することができる方もいると思いますが、それなりに高い壁であることは間違いないです。

 

しかしこれはボーナスポイントをうまく使えば簡単に超えられる可能性があります。

 

例えば僕はオークランドで働いていますが、人口の多いオークランド以外からの申請だと30点もボーナスが貰えます。

 

もちろんオークランド以外だと雇用の数は少なくなってくるとは思いますが、それでも他の都市で仕事が見つかれば点数の壁は一気に下がりますね。

 

あとは結婚している相手や、長く付き合ってる人(パートナー)と二人で申請する場合はその分もプラスで点数が貰えます。

点数はそのパートナーの職種や学歴で点数は変わってきますが少なくとも10点ほどは貰えます。

 

僕は3年以上付き合っている彼女がいるので彼女と申請すれば160点は超えられると思います。

 

しかしパートナーも申請者と同様、IELTS6.5以上が必要にはなってきます。でも二人で協力して頑張れば、目標もできていいかもしれません。

 

 

上のこれらを全部クリアできて、書類に問題がなければ、まだ永住権は取得は全然可能だと思います。



 

 

さいごに

以上、現在の技能移民の法律の軽い説明と、鍼灸師としてどうやれば永住権に結び付けられるのか、僕の考えを書きました。

 

 

何度も言いますが、れは一鍼灸師の僕の考えです。

プロのアドバイザーではないので、責任は取り兼ねます。

 

 

最初に書いた通り、ほんの一年前、僕がNZに来たころ(2016年1月)の永住権は本当に簡単でした

 

あのままであれば、

今頃はとっくに確定ポイントで申請できてたのに、、と何度も思いました。笑

 

 

しかしこれは海外に住む以上よくあることです。

イミグレーションがNoと言えばどんなに理不尽でもNoだし、Yesと言えばどんなにギリギリでもYesです。

 

今までのNZ移住が簡単すぎたので、それでこの国も本腰を入れて対処しなければいけなくなったということですね。

 

僕はまだまだ永住権は取るつもりなので、160点に達する来年頭を目処に考えているつもりです。

 

それまでにクリアすべき課題は何個かありますが、これはもっと努力しろというお告げみたいなものだと勝手に自分を奮い立てときます笑

 

これは今後の人生に関わることなので、道が閉ざされた時のショックは大きいですよね。

 

でも永住権はゴールではないですし、人はどこまで行っても挑戦者であるべきです。

 

難しくても頑張って一個一個クリアしてきましょう。

 

 

 

個人的にはこの法改正の今後をNZはどう考えているかなかなかわからないんですよね。

ちょっといろいろと無茶というか。

 

そんなことも近いうちに書いていきたいと思います!

 

 







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