捨てたのは鍼灸師という”肩書き”。職に生きない生き方のすゝめ 後編

職に生きない生き方のすゝめ 後編です。

 

 

 

前回あげた記事の続きになります。

 

 

前回の記事では主に、

“職業に拘らずに経験を積むことの重要性”

“多様性の時代に埋もれていくプロ達”

“副業の定義。副業がなぜ大事か”

について書きました。

 

 

 

この副題だけで「ふむ、わかるぞと思った方や、

読んだけどどんな内容か忘れたって方も、

そもそもまだ読んでないぜっていう方もこの記事を読む前に今一度読んでみてください。

 

前回の記事です⏬

鍼灸師をやめた?職に生きない生き方のすゝめ 前編

 

 

本題に入る前に、これは前回の記事にも言えることですが、当記事は僕の考え方を書いたものです。

中には万人受けする考えではないことも多くあると思います。

単なる一つの意見としてフランクに受け取れる方のみ読んでいただくことをお勧めします。

 

 

 

それでは後編です。

 

内容は以下のようになってます。

 

 

埋もれないためには?プロを目指すのではなく、希少性を持つ。

 

 

あらゆる職種で人が飽和した現代社会の中では

豊富な知識や技術のあるプロ達がどんどん沈んでいきます。

 

 

では自分が沈まないためにはどうすれば良いのか

 

 

 

 

その方法は、

自分だけの武器を持つことです

 

 

 

希少性を持ってください。

それに尽きます。

 

 

 

一つの分野でプロを目指すことが悪いというわけではありません。

 

当然専門の技術や知識などを洗練していくことはいつでも重要です。

 

 

 

 

気をつけなければならないのは、

それには膨大な時間的コストがかかることと、沈む可能性が高くなってしまうということです。

 

 

 

 

僕は鍼灸師なのでこれ以降は鍼灸を例に頻繁に出しますが、その他の多くの専門家に当てはまることも多いのでその辺りは脳内補完でよろしくお願いします。

 

 

 

例えば鍼灸という技術を極めてどんな症状でも治せる鍼灸師になる!と意気込んでも、

新卒で鍼灸師となって世に出た時、日本にはその道で何年も患者を治療している先人がたくさんいます

 

技術だけ見たらその時点で先人たちに圧倒的にリードされてるわけです。

 

 

 

特に体力が必須でもなく、開業もしやすい鍼灸師は寿命が長い職種です。そう簡単に上の世代が席を空けてくれるわけでもありません。

 

先人がたくさんいる中、突出して能力が高い人は良いですが、そこまでのリードを覆してトップに躍り出るのは誰にでもできることではありません。

多くの人は”そこそこ”に達して終わります。

 

 

もしもその”そこそこ”のレベルで十分食べていける社会であれば良いのですが、残念ながら

“そこそこ”レベルでは今の時代では余裕を持って生きてはいけません

 

 

平均より上だったとしても、

ほとんどの経営状態で金銭的にゆとりのある十分な生活ができない時代です。

 

 

 

鍼灸の学校に行っている人は周りを見まわしてみてください。

自分を含め、その講堂にいる大半が鍼灸だけでは余裕を持った生活はできません。

 

 

ではその状況でどうするか。

ひたすらその上位20%に食い込むために頑張るしかないのか。

 

 

 

そんな”敗率が高すぎる賭け”に頑張れ、なんて到底言えません。

 

 

だからこそ、いいます。

 

重要なのは

鍼灸だけに拘らず、別の何かを身につけること、です。

 

 

”上記のほとんどは鍼灸師を例に出して話しました。

まだ希少性が高く余裕を持って生活ができる専門の方は問題ありませんが、

今の日本では多くの職種が似たような状況なのではないかと思われます。

この章以降も鍼灸を多く例に出して書いて行くので引き続き脳内補完でお願いします。”

 



 

 

世界一になるためには

 

 

突然ですがもし僕が先輩鍼灸師として、

若い鍼灸学生と話す機会があればこう言うと思います。

 

 

鍼灸師として影響力を出すには鍼灸を勉強するよりも、

鍼灸という技術を活かすために勉強してください。

 

 

 

前章でも述べた通り、今の時代一つの専門知識だけで勝負する専門家のほとんどの人が沈みます。

 

 

本当に専門家として他と違いを作りたいと思うのであれば、

重要なのは専門以外の知識です。

 

 

 

 

考えてみてください。

 

国家資格を取ったばかりの鍼灸師が

その業界で世界一になる方法は何か。

 

どう考えても勝負するべきフィールドは鍼灸ではないですよね。

 

 

鍼灸のためいくら勉強しても

実質世界一は不可能です。

 

世界一の治療者になるには実際に患者と向き合って試行錯誤していく経験が必要で、

世界で唯一の優れた治療効果や手技を発見するには、膨大なサンプル数が必要です。

 

上の二つに共通するのは経験です。

 

既にその領域でバリバリ活躍している先輩たちに経験で勝つことがない以上、世界一にはなれません

 

 

 

だからこそ唯一無二の存在価値のある専門家になるには

”専門以外のことにどれだけリソースを尽くすか”が重要です。

 

 

 

 

僕の学生時代、ほとんどの人が国家試験の勉強を頑張っていました。

 

 

多分合格を一番に考える先生たちはあまり言わないことだと思いますが、

ほどほどでやめてください。国家試験の勉強なんて。

 

合格点に達してない人は勉強して、少しでも早く達して他の趣味に没頭してください。

あんな試験3・4年学校で普通に勉強していれば基本落ちることはないです。

 

 

 

試験の性質を考えれば優勢順位は明確です。

 

国家試験は人を落とすための試験ではありません。

最低限の知識を有するかを確認するための試験です。

 

この試験にライバルも何もいません。

自分がやるかやらないかだけです。

 

 

 

一方で試験に合格してから、、

そこからは競争の世界です。

 

業界内で一生懸命に生きようとする、プロフェッショナル達との生き残り勝負です

 

 

 

試験対策だと言って鍼灸師になってから使うことがない知識を増やし続けるなん時間が勿体なすぎます

いざ鍼灸師になった時、他の鍼灸師達には真似できない優れた技術を養うことの方がはるかに重要です。

 

 

 

そこにポイントを絞って、周りの人がやっていない試験勉強以外ことを学生時代から全力でやってください。

 

その経験と技術が一つ、二つと重なり合って、

いずれ鍼灸とも合わさった時、そこには鍼灸師として限りない希少性が存在しています。

 

 

 

鍼灸だけでは、いきなり世界一にはなれません。

 

しかし自分の武器の組み合わせによっては、新卒だろうがなんだろうが

世界で唯一の希少性を持つ鍼灸師になることが可能です。

 

 

 

とはいえ世界一はちょっとハードルが高すぎるかもしれませんね。

 

まずは、同期の誰も真似できないことを自分の専門と組み合わせてみる

それを考えてみるといいスタートになるかもしれません。

 

 


 

趣味を見つめなおす。希少性を出すには”違う分野が強い”

 

 

今までで自分の専門以外のことに本気で取り組むことがいかに大事か、話してきました。

(読んだ方ならお分かりだと思いますが、前編の記事にもある“副業の重要性”とも関連してますね)

 

 

当記事は自分の専門に縛られないための

具体的な行動プランも兼ねています。

 

なのでここからは具体的な行動に移すため、自分の武器となる技術をどのように選ぶと良いかについて書いて行きます。

 

 

 

まず副業(技術をつけるためにやること)選びの際に一番に考えて欲しいことは、

自分が熱中できるものであるということ

 

これはほぼ唯一にして最大の必須条件です。

 

 

 

理由は単純で、自分がそれを好きではなかったらまず続かないからです。

 

ここ言う専門外でやるべきことというのは、つまり

自分の元々やらなければならないタスクとは別のことです。

 

仕事であったり、学生であれば試験に合格するように試験勉強などを継続しながら

取り組む必要があります。

 

 

本業の傍ら実行する必要があるので、もし自分の好きなものではなかったら

今やらなくても本業はしっかりとやれているから良いと正当化できてしまいます。

 

 

 

 

何かを習得しようと思い立つことは、本当に素晴らしいことです。

行動しない人は大勢いるので誰にでもできることではありません。

 

しかし、できないことをできるようになるには、どうしても根気がいるのです。

 

 

もしも身につけるために、作業感が生まれてしまっていたら、

やりたくもない試験勉強の傍らその作業を続けることになるので、

無理して続けると必ず辛くなります。投げ出したくなります。

 

 

 

なのでまずは自分が休日の時にフリーな時間を割いてでもやりたいと思うこと

またはやってもいいなと思うことを探してみてください。

 

言ってしまえば最初は自分の趣味を尊重し始めることから始めてみてください。

 

 

昔はピアノをよく弾いていたけど、最近は忙しくて弾いてない。

絵を描くのが好きだけど、自分には才能がないと思ってやめた。

プログラミングに興味があるけど、学校の勉強があるからいつかやろうと思っている。

茶道をやってみたいけど、いい教室が見つからなくて参加できない。

動画編集が好きだけど、題材が思い浮かばない。

など

趣味をやらない理由はいくらでもあります。

 

 

しかし根本を見れば、自分のやりたいことに蓋をして蔑ろにしているのは自分の趣味を尊重していないからに行き着きます。

 

趣味がある人はそれを”自分の本業と同じくらい大事なこと”と考え、堂々と実行してください。

 

 

 

自分に趣味がない、またはつけたいと思う技術がないという場合は、

 

昔僕が書いたこちら記事の第三章「今すぐできる、夢の見つけ方」を覗いてみてください。

夢がない人は”夢”を勘違いしている

 

 

 

 

 

ここで趣味と言ってしまうと、中には

自分の趣味があまりにも専門とかけ離れているので、やる価値はなさそう。。

と思った人もいるかもしれません。

 

 

おめでとうございます。

 

チャンス到来です。

 

 

 

誰もが思いつく組み合わせに、そこまでの価値はありません。

 

例えば、鍼灸という分野に対して、自分はスポーツが好きだからトレーニングを学ぼうとしたとしても

鍼灸+トレーナーは既にいくらでもいる組み合わせなので正直あまり希少性は感じられないですよね。

 

 

 

自分の専門とはかけ離れているスキルだからこそ、

それが合わさった時に大きな希少性が生まれます。

 

 

 

 

アニメ好きだけど、鍼灸師として患者とコミュニケーションがうまく取れないと悩んでいる人は、

AdobeのAnimateの動かし方をガッツリ学んでアニメーションが作れる鍼灸師になれば一気に貴重な存在になります。

 

作った鍼灸の解説アニメを共有し続ければ、いつかは誰かの目に止まり、プレゼンとかでも重宝される鍼灸師になれるかもしれません。

そこまでいけば多分、ずっと目の前の患者の治療ばかりしていたクリニックの鍼灸師より強い影響力を持っているでしょう。

 

 

 

 

新しい組み合わせができた時、最初はそこには需要はありません。

でもそれは人が欲していないからではなく、誰もやったことがないからです。

 

自分の好きなことへの情熱を絶やさず、多くの人に見てもらう機会を作ることができれば

自然とそこに需要は生まれてきます。

 

 


 

肩書きから独立を

 

さて、最後の章になりました。

 

長々と書いてきましたが、この記事で伝えたいことを最後に一言でまとめて言うと、

肩書き(役職)からの独立です。

 

 

 

鍼灸師でも、看護師でも、マネージャー職でも、研究者でもなんでもいいです。

その肩書き(役職)を失った時に自分に何が残るか考えてみて下さい。

 

今のポジションを失っても、自分が誇れる何かがないのなら、

自分の肩書きに依存している状態かもしれません。

 

 

 

肩書きとは、

自分がどんな人間であるかを相手に一言で示し、

自分は危険じゃない・価値があると思わせて信用を得る手段。

 

それだけが存在意義です。

 

 

 

ちょっと前まで個人の持てる影響力は弱く、大きな組織に属すか、自分で一から基盤を作り上げてからでないと強い影響力が出せない世の中でした。

 

だからこそ何の仕事をしているか、どんなポジションに就いているかなどといった

肩書きを得ることはとても重要だったんです。

 

しかしインターネットを通じて個人が強く影響を出せるようになった現代は転換期に来ています

 

今や世界の大企業よりも、情報発信を続けている個人の方が影響力を出せる時代です。

 

 

 

日本社会も着実にそれに合わせて変化しており、今では自分がどの会社でどの役職についているかという肩書きよりも、

自分は何に熱中していて、どんなことができるかを示せる方が価値が高くなっています。

 

この流れはこれからどんどん加速するので若い人はこれから特に個人で力をつけていく必要があると思います。

 

 

 

 

肩書きに隠れ、自分の技術を伸ばすのを怠れば

肩書き意外何もない、技術のない人間になっていきます。

 

そうなると企業に縛られ、搾取され続ける自由のない生活から抜け出せなくなってしまいます。

 

どんな企業も安定しておらず、終身雇用など無いに等しい現代社会では、

何よりも自分が一個人として誰かから求められる力をつけていくことを念頭に行動していくべきだと思います。

 

 

 

 

ちなみ、肩書きの有用性は健在です。

 

今まで散々こんなこと言っておきながら僕はtwitter上ではAcupuncturist(鍼灸師)と言っています笑

肩書き使っとるやないかい

 

 

肩書きは悪いわけではありません。使い道です。

僕が鍼灸師とトゥイッターで使っているのは、このブログなどを鍼灸師に知られやすくするためです。

 

 

実際の生活で知人に僕が鍼灸師であるということは殆どないので、多分帰国してから会った人のほとんどが、僕が鍼灸師って知りません。笑

 

海外歴長い人、英語ペラペラな人、日本語と英語を教える人、船て旅していた人、

サイト作りの人、動画編集の人、動画を撮る人などの方が僕の周りには圧倒的に浸透しています。

 

 

 

でもこのように僕が人よりできることは何かが周りに伝わっているのであれば、

一つの肩書きなんて何の価値もないことがわかります。

 

 

現に僕が鍼灸師というキャリアしかなくとも、コロナ帰国後に外資に転職できた理由も鍼灸師だからではなく、

鍼灸以外にやってきたことが評価されたからです。

 

 

 

日本では鍼灸を仕事にすることが嫌で国を出たので、

帰国してからは鍼灸師としてクリニックに勤めることは考えていませんでした。

 

もし鍼灸師という肩書きに拘り、

鍼灸だけを中心にやっていたら多分このような多彩な選択肢はなかっただろうなぁと思います。

 

 

肩書きはあなたという存在を代表するものではありません。

程よく使う道具として捉えて、いろんな肩書きをお持ちになって、活動範囲を広げるのに使ってください。

 

 

終わりに

 

前回から長々と書いてきた

”職に生きない生き方のすゝめ”

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

僕が偶然このように転職できて、好きなことがやれている状況なのでポジショントークに聞こえますが、

これら全て僕が全てできているわけではありません。偉そうに言っておきながらm(_ _)m

 

僕もこうありたいと思いながら頑張っている真っ最中です。

 

 

ただ鍼灸師資格を取る前から、

一つのことだけじゃなく、いろんなことができる人間にならなきゃ多分死ぬ

という感覚は昔から持っていたのではないかと思います。

 

学生時代からみんなは一つのことにだけ集中して不安じゃないのだろうか?

という気持ちは持っていたのを覚えています。

 

 

今のところ、僕はこの考えのおかげでいろんなことができるようになり、

結果的に比較的自由のある暮らしを送っているので

僕の中では正しい考え方だと思って精進していこうと思っています。

 

 

 

でも最後に大事なことなのでもう一度言います。

 

 

生き方は人それぞれなので、この記事が全員に当てはまるとは思っていません。

 

 

 

自分が納得できる満足した生活を送れているのであればこんな記事無視してください

こんな意見もあるんだなぁ程度で流してください。

 

 

でももしも自分の今の現状に不満があって、何かしら将来のために変えていきたいと思っているのであれば

少しでもこの記事が参考になればと思います。

 

 

それでは長い記事にお付き合いくださりありがとうございました。

 

FacewbookやTwitterにも情報を上げていくので、これからも記事も読んでいただけると幸いです!!!

 


 


 

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