遠隔治療という言葉を聞いたことはありますか?
遠隔治療と言ってもいろいろあると思いますが、今回書くのはその中でも特に不可解である、
気功などで使われることのある患者と離れていても効果を出すことのできるという遠隔治療です。
例え患者を直に診ていても、触れることなく影響を出すことですら一般的にはありえないと考えられています。
増してや患者を直接見ることもなく治療を行うなんていうことは全くナンセンスです。
なのでそんなものは治療や医療と呼べる代物ではないというのが一般の常識でしょう。
僕は基本的に鍼灸をやっているので気功という治療は行いません。
しかし気功ような”現在の科学では明らかになっていないナンセンスなもの”が存在して当然だと思っていますし、遠隔治療も考え方によっては大いにあり得ると考えています。
今回はなぜ遠隔治療が存在すると思うのか。
そして存在するとすればそれはどうやって働くのかということについて書いていきます。
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遠隔治療を考える前に
まず遠隔治療について話す前に、それがどのようなものなのか確認する必要があります。
上にも書いた通り、遠隔治療は離れていても患者の気を感じたり、送ったりできる治療法です。
治療法と言ってもこれは科学的に認められていないので、これを正式に”治療法”と呼ぶことは難しいです。
遠隔治療の時に患者とは直に接触している必要はありません。
隣町にや県外のみとは言わず、地球の反対側でも影響を与えることができると言われています。
そんなことが可能な訳がない。
そう考えることが普通かもしれませんが、ありえないし胡散臭いと常識に囚われてしまう前になぜ人々はそれがありえないと考えてしまうのでしょうか?
それはシンプルに距離が遠いからです。距離が遠いと声も聞こえませんし、姿も見えませんし、海外だと移動に数時間はかかります。
でもそれは僕たちの3次元の話です。
例えば光は秒速30万kmの速度で進みます。一秒間に地球を7周半できる速度です。
光の速度からすれば我々の距離は大幅に短縮されます。地球の裏側であろうが隣町だろうが目の前だろうが距離に大差はありません。その収縮はローレンツ収縮と呼ばれ、特殊相対性理論などからも導き出されています。
なので地球の裏側までは”遠いから”影響が与えられる訳がないと考える常識は実はそちらの方がナンセンスなんですよね。
別の例を出せば宇宙空間に無数に漂うニュートリノがあります。
ニュートリノは太陽などで起こる核融合や、宇宙の彼方で起こる超新星爆発などから発生して地球まで飛んできます。その速さは光速と同じですが、物質にぶつかり影を作る光とは違いあらゆるものを通り抜けます。
今この瞬間にも何兆個のニュートリノが僕たちの身体を通り抜け、地球を通り抜け、地球の反対側から出て行っています。
これはニュートリノが他の原子や分子と相互作用を起こさないために通り抜けることができるのです。
これも人間の大きさ、ましてや地球の大きさなど意にも介さず飛んでいきます。
僕たちが日頃感じる距離や、影響を及ぼせる範囲がどんなに狭い視野かということがこれらの素粒子の動きからもわかります。
なぜなら僕たちとは次元が違うからです。
では遠隔治療で扱う”気”とは何か?
鍼灸でも経絡や経穴を動いているのは気であり、自然治癒力や身体の機能を司っているものも気だと考えられています。
以前書いた記事で、”気”とは”電子”ではないかという仮説を書きました。
気が電子かどうかというのは断定することはできませんが、その性質を考えた時に素粒子の次元の話であることに疑いはありません。
素粒子とは物質を構成する最小単位の粒子です。
光やニュートリノで例を挙げた通り、素粒子の動きは自分たちの常識とは違います。
なので遠隔治療で扱うものが素粒子であることが明確な場合には、自分たちの常識とは切り離して考える必要があるのです。
距離が遠いし、物質に隔てられているから影響が与えられないという狭い視野を持っている人は一度その常識を疑うことが必要だと思います。
気は地球をすり抜けるのか?
遠隔治療で気が地球の裏側にも到達するのであれば、どれはどうやって働くのでしょうか。
先ほど書いた通り、光速であれば地球を7周半するスピードで進み、その速度だと月までも2秒以内に到達できます。
しかし、スピードがあるから到達できるという話ではありません。
僕たちがいつも目にしているのは可視光です。
その光は間違いなく光速ですが、部屋から壁を見たときにその壁の向こうが透けて見える事はありません。
それは壁の向こうにある光子が壁の分子や原子によってこちらに来るのが遮られしまっているからです。
速度的には地球の裏側にすぐに到達できるとしても、下を見て見えるものは地面だけです。
なので速さがあっても空に鏡でもない限り到達はできません。
ではニュートリノの様に地球を通り抜けて目的としている地点に送ることはできるのでしょうか。
ニュートリノが地球を構成する原子や分子にぶつからずに地球を通り抜けることができるのは、相互作用を起こしづらいためです。
故に捕まえることが難しいニュートリノを観測できるのは、岐阜県のスーパーカミオカンデの様に5万トンの水を貯めて水分子との衝突の光を超高感度センサーでわずかに見れる程度です。
もしも気が地球を通り抜けられるくらい相互作用を起こさない素粒子だった場合、目的となる人体に到達したところでたった数十キロの重さしかない人体に作用を及ぼすことは考え難いです。
以前の記事で仮定した気が電子だった場合、他の原子との相互作用を起こさないことは不可能です。
未知の素粒子だったとしても、その様な挙動をみせる粒子が存在するとは考えられません。
よって実際に遠隔を及ぼす際に地球をすり抜けていくことはかなり可能性の低い話だと考えられます。
”もつれ”が道を作る
気があらゆる物質をすり抜けて別の場所に影響を及ぼしている可能性が低くなった場合、そこに道を作るのは一体なんでしょうか。
鍵となるのはアインシュタインが放ったこの言葉です。
“奇妙な遠隔作用だ”
その言葉の対象となったのは、量子力学の特性である”量子もつれ”です。
(以前に書いた量子もつれの記事を参考にどうぞ)
気が電子だと仮定してもこの量子もつれならば説明できるかもしれません。
2年前の研究で、量子もつれを用いた量子テレポーテーションにおいて62マイル(約100キロ)以上の情報の送信に成功したという成果も上がり、話題になりました。
ここで重要なのは遠隔治療を施す際に何が必要であるかということ。
明確な基準はないのですが調べた結果、以下の三点が重要とのこと。
1.その患者を一度直にみる必要がある.
2.その人の書いた文字(本人の名前が好ましい).
3.可能であれば写真.
この三つからその人のエネルギーを目の前に再現し、そこに気を送って質を変えることで、そのエネルギーを持つ本人にも影響が及ぶ、というのが大まかな遠隔治療の流れの様です。
(多分これは人によって変わって来ると思うので一概には言えませんが)
名前を書くことについてですが、文字の形にはエネルギーが宿る可能性があると考えられています。
実際に鍼灸の研究では火や、水と書いた紙を火穴に張り替えることによって身体の圧痛点の反応が変わることも何度か示唆されています。
文字、特に自分が生まれてから幾度となく書いたであろう自分の名前を書くことでそこに身体に持つ電子との繋がりが形成されることはありえない話ではないのではないでしょうか。
僕は気がわからないので明確には言えませんが、人と文字に繋がりが形成されたのだとしたら、以前に診たことがある患者の気であれば再現させることも可能なのかもしれません。
量子テレポーテーションによって送ることができる情報は現在確認されているところでは、光子などの量子に限られています。
しかし気や経絡など、人体の持つエネルギーに影響を及ぼすためにはその僅かな素粒子の動きでも十分作用が確認されるであろうことは鍼灸や中医学の観点からも読み取れます。
量子もつれについては謎が多く、なぜ時空を超えてそこに繋がりが形成されるかも明らかにはなっていません。
ですが今の所、この量子もつれが遠隔治療を成功させる鍵を握っている可能性が高いと考えています。
終わりに
今回は遠隔治療について僕が考えることについて書きました。
離れたところから気を送るなんて胡散臭いと思われがちですが、それはその人が目に見えるだけの自分の常識にこだわっているだけであって、可能性としては十分にあり得るというのが僕の見解です。
しかしまだまだ疑問は残ります。
この遠隔治療が量子もつれによるもので、光速を超えて瞬時に影響を及ぼせられるのであればその範囲はどこまでなのか。
一度繋がりさえできてしまえば、光でも20分かかる火星にも瞬時に気で影響を及ぼすことができるのか。
光速でも脱出することができなくて観測が不可能と言われるブラックホールの向こう側も、量子もつれによって気を感じ続けることができるのか。
残念ながら気が分からない僕には実験のしようがありませんが笑
個人的には遠隔治療は掘り下げてくことで場合によっては医療の本質そのものを変える可能性があるものだと思っていますが、それはまたいつか書きます。
という訳で、遠隔治療がただの怪しいプラシーボ効果だと決めつける前の、可能性を示唆する記事でした。
参考になれば幸いです!
参考:
1. How Physicists Quantum Teleported Information Over 62 Miles (Popular Science)
2.ジム・アル=カリーリ/ジンジョー・マクファーデン(2015) 『量子力学で生命の謎を解く』SB Creative.