以前の記事、取ってて良かった鍼灸学士で僕が鍼灸学士を取得した話や、実際に取得してよかったことなどを書きました。
具体的にどうやって専門学校を出た後に学士を取得するのか細かく説明しようかとも思いましたが、
学位授与機構のホームページを見れば大体のことは書いてあるので
今回は大まかな説明と、僕の状況、経験を中心に書きます。
繰り返しますがこれは僕の状況の話です。
参考にする場合はそれが本当に自分の状況にあった方法か、しっかりと考察した上で参考にしてください。
{他の学位授与機構関連の記事です。全て読んだ方がわかりやすいと思うので参考にどうぞ}
👉取っててよかった鍼灸学士(2016.11.16)
👉学位授与機構から学士を取る 学習成果編(2017.2.26)
👉学位授与機構から学士を取る 試験編(2017.4.11)
まずは基礎知識として学位授与機構から学士を授与されるまでのおまかなプロセスを説明します。
学位授与機構から学士を貰い受けるには二つの審査をクリアする必要があります。
一つは、積み上げ単位の審査。
学士とは通常では大学の4年間を得た上で貰えるもの。
専門学校では長くても3年(鍼灸は最低でも3年必要です)、もしくは2年でも資格が取れる分野もあります。
勉強している年数が大学よりも明らかに短いのにそのままでは大卒と同じ学位をあげられるわけがありません。
なので専門学校を卒業して基礎資格を得た後、
どこかで授業を受けて残りの必要な単位数を稼ぐ必要があります。
それが積み上げ単位と呼ばれるものです。
もう一つの審査は、学習成果+試験。
学習成果とは簡単に言うとレポートです。
自分は基礎資格を得た後、こんなことをさらに勉強したんだよってことを学位授与機構に証明しないといけません。
そして後日、本当に学習したのか確かめるため、その学習成果についての試験があります。
自分が書いた学習成果についての問題(というか質問?)が2~3問出題されます。それに文章形式で答えるという筆記試験です。
これら全ての審査をクリアしたのちに、晴れて学士号が授与されるというわけです。
今回の記事で話すことは単位を積み上げる時の話です。
積み上げる単位をどこで取るかというのに決まりはありません。
どこかの大学に編入したり、科目履修という形で授業だけを受けたり、通信制の大学に入ってオンラインで授業を受けたり(社会人には一番オススメ)と、単位を積み上げればいいだけなので、どのようにその単位を取ったかは重要ではありません。
それぞれに特色があるのでこれはもちろん自分に一番あった方法を選ぶのが一番です。
参考に僕の例を紹介します。
まず僕が学位授与機構で鍼灸学士を取ろうと考え始めた理由ですが、日本で長崎の専門学校に通っていた当時、
ちょうど二十歳だった僕は将来カリフォルニアで鍼灸師の仕事をしたいと思っていました。
カリフォルニアの場合、鍼灸師として活動するにはMasters Degree、つまり修士号以上でないといけないので、そうなると大学院へ行くことが必須となります。
日本の専門学校を出たばかりでは大学を出てないので大学院へ行くことができません。
大学院に行くには実際にアメリカのコミュニティカレッジ等を出る方が良いかもとも思いましたが、
入学までにかかる時間(まずは語学から始めなければいけません)や、予算面(現地で語学を学んで、そしてインターナショナルの学生としてコミュニティカレッジに行くには多大な予算が必要)等を考えて、
日本の大学を出ようと決めました。
その状況の中、僕が単位を積み上げる方法として選んだのは全てオンラインでできる通信制の大学に本科生として編入するというものでした。
ちなみに選んだ大学は日本福祉大学の通信課程です。
そこを選んだ理由は幾つかありますが、一番大きかった点はやはりオンラインで全てが済むという点です。
僕は日本にいた当時英語が本当にできませんでした。
昔から洋画や洋楽は好きでしたが英語自体に興味を持って特に勉強してたということは全くなく、
学生の頃もなかなかひどい点数を叩き出した時もありました。笑
なのでまずは英語をしっかりと身につけないと海外じゃやっていけませんし、大学院への入学規定であったTOEFL iBTスコア80も厳しいです。
大学を出て(もしくは学位授与機構から学士を得て)、大学院に進学できるようになるまでには、いずれにしろ1~2年かかります。
その貴重な時間を大学のためだけに費やすわけにはいきません。
言語の習得には時間がどうしてもかかります。
なので海外のどこかで英語を話す環境に身を置きながら大学に行こうと考えました。
多くの大学だと通信制でもスクーリングが必要だったりして、年に数回はキャンパスに行く必要がありますが、
この大学だとスクーリングか、パソコンでできるオンデマンドと自分で選ぶことができました。
そうなると全てがオンラインで済んでしまうため、システム上何も問題なく、
海外で英語で勉強、生活しながら、日本の大学生として授業やテストを受けることができるのです。
また、大学の本科生となることで大学を卒業できるという点も考慮しました。
大学院に入る場合、大学を出なくとも大卒と同等の学士の証明でも問題はないと思います。
しかしどこか卒業した大学として名前を出せた方が証明の提出もやりやすいと思ったので、
どうせ同じ時間がかかるのであれば大学生として卒業できる本科生に進もうと思いました。
それに本科生であれば、学位授与機構からの鍼灸学士だけでなく、ついでにその大学から他の学士号も取得できるので、
同じ勉強時間なのにダブルディグリー(二つの学位保持者)になれるというちょっとしたお得感もあります。笑
なので僕の場合は鍼灸学士(Bachelors of Acupuncture and Moxibustion)と福祉経営学士(Bachelor of Welfare Management)を同じ年に取得したことになっています。
まぁぶっちゃけ福祉経営学は必要性を感じませんが笑
そしてもう一つの理由ですが、これは好みが分かれるところかと思います。
日本福祉大学には資格認定システムというものがありました。
詳しくは日本福祉大学のHPに記載されていますが、
このシステムは今までとった資格や証明などから判断して、数単位を特別に授与してくれるというシステムです。
他の大学にももしかしたらこれに近いシステムがあるかもしれません。
TOEICなどのテストの点数だったり、今まで取得した資格などから単位を認定してくれます。
例えば、すでに介護福祉士の資格があるのであれば
社会福祉学(4単位)+高齢者に対する支援と介護保険制度(4単位)=8単位
と8単位分の認定があるわけです。
医療系の資格(医師、薬剤師、看護師、鍼灸師など)の場合、
医学概論(2単位)+キャリア形成 初級(2単位)+キャリア形成 中級(2単位)+キャリア形成 上級(4単位)=計10単位
ということで10単位もの認定があります。これはかなりの単位数です。
ここからこのシステムのちょいとした裏技です。
あまり大声では言えませんが、、笑
このシステムは、国家資格を持つ僕たち鍼灸師ももちろん使えます。
そして忘れてはならないのは僕たちは鍼灸師という資格ではなく、鍼師と灸師の2つの資格であるということ。
もうお分かりですね。
つまり、僕たち鍼灸師には上記に書いた医療系資格保持者の2資格分の認定、
単純に二倍の計20単位の認定が与えられます。
学位授与機構に申請するには、三年制専門学校卒業の場合、一年の就学、31単位の積み上げが必要です。
一年で31単位というのは結構な量です。
でもそこから20単位が引かれるとなると取得しないといけない単位は
一気にたったの11単位となります。
厳密に言うと学位授与機構の規定上、11単位よりもあと少し単位を取らないといけませんが、圧倒的に必須取得単位が少なくなります。
入学した段階で既にこれだけの単位数が与えられるというのはどんな資格保持者の中でも鍼灸師だけだと思います笑
上に好みが分かれると書きましたが、これに関してせっかく大学に行くのに授業を受けずに半分以上の単位をもらうなんてもったいない!と感じる方もいるかもしれません。
これは任意申請なので、しっかりと自分で単位を取りたい人は問題なく授業を取れます。
僕は大学の授業よりも、英語や他のことに専念したかったのでこのシステムを存分に使わせてもらいました笑
実を言うと、カリフォルニアに行くと考えていた当初は、
大学に編入することを考えているだけで、学位授与機構から鍼灸学士を取ることは考えていませんでした。
というかそんなものがあるって知らなかったんです。
でも仮に
日本の大学を無事卒業して、
無事にTOEFLの点数をクリアして、
カリフォルニアの大学院に入れたとして、
頑張って卒業して鍼灸修士を取って、
無事カリフォルニアで鍼灸師として働けるようになったとしても、
その後に労働可能なビザが下りなければ結局はそこで働けません。
するとそれまでのほとんどが水の泡となります。
一つの専門でビザを申請する場合、その修士だけでなく、同じ専門の学士を持っている方が取得しやすいです。
それだけその専門の勉強をしてきたという証明になるからです。
それから鍼灸学士の取得を考え始めました。少しでもビザが下りやすくなるために。
当初は鍼灸大学に編入とかも考えましたが、色々調べて、いろんな人に聞いて、
たどり着いたのが学位授与機構です。
その後、また計画を立て、専門学校卒業してすぐにマレーシアに引っ越しました。
昼は語学学校で英語を勉強し、
授業後は友達となるべく遊ぶようにして(留学と言うのは外国人の友人を少しでも得ることが成功のカギだと思ってます)、
そして夜間に大学の授業をこなしました。
結果、無事計画通りのスケジュールで単位を取り、学位授与機構に申請することができました。
以上が僕の積み上げ単位取得の経緯です。
この方法以外にも必ず自分にあった方法があるはずです。
まずはちょっとでもピンとくる大学があれば、
すぐパンフレットをお願いすることから始めましょう(国試前の一時期、しばらく机がパンプレットで埋まってました笑)
大学のパンフレットは基本的に無料なので遠慮せずに貰って、比較対象を少しでも多くしてください。
いろんな通信制大学のパンフレットが申し込めるサイトです。
↓
働きながら大卒資格や教員免許を取得したいあなたにオススメの通信制大学!
ここには日本福祉大学と一緒に僕が数単位取得した人間総合科学大学もリストに載っています。
人間総合科学大学はなんと鍼灸学士を取るための単位積み立てのカリキュラムがあります。
なので鍼灸師でどの教科を積み立てればいいかわからない人や福祉経営学士なんていらん!って人には、ここはかなりオススメです笑(授業料も少しだけ安かったような。。)
細かいところはいろんな大学からパンフレットを貰って、見比べてみてください。
ベストな大学が見つかることを願っています!
いつか学習成果や試験についても自分の経験を書こうと思います。
👉学位授与機構から学士を取る 学習成果編(2017.2.26)
👉学位授与機構から学士を取る 試験編(2017.4.11)
ブログ読ませていただきました。
私も将来のためにも成長のためにも鍼灸師としてニュージーランドで働きたいと考えています。
学位授与機構、日本福祉大学への通信授業をお取りになったと
のことですが、費用はだいたいどのくらいかかったのでしょうか?もちろん大学によっても違うとは思うのですが。
もし差し支えなければで結構ですので、平均でもだいたいでもお聞きしたいです。宜しくお願い致します。
Yoshiakiさん、
学費の件はもう数年前になるのでだいぶ記憶が曖昧になっています。僕は日本福祉大学で正科生としての単位取得でしたので基本授業料と取る単位の数に応じて学費は決まっていました。
一単位5000円程だったと思いますのでYoshiakiさんが学位授与機構に申請するために単位がいくら必要かによって計算すればある程度の目処はつくのではないかと思います。科目履修生だと基本授業料もかからないので少し安くなります。
学位授与機構への申請料は3万円ほどだと思いますので最新の情報を機構のHPで確認されることをお勧めします。
ニュージーランド、いい国です。頑張ってください!
はじめまして。学位授与機構に関して調べていてこのブログにたどり着きました。色々参考にさせていただいております。
私は理学療法士なのですが、四年生から日福大通信に編入して、単位認定を利用しようと考えているところです。いろんな方のブログを読んでいると、日福での単位認定では、学位授与機構の積み立て単位として認められなかった方がいらっしゃいました(看護師さんです)。kokiさんは20単位認定されておられますが、最終的に何単位程を取られてご卒業されたのでしょうか?
専門学校卒で大学の単位について詳しくないので、初歩的な質問で申し訳ありませんが、ご教授いただけると助かります。よろしくお願いいたします。
etsukoさん、こんにちは。
学授与機構のHPからダウンロードできる”学士への途”を確認した上で参考にしていただければと思います。
僕の専門学校は3年制でしたが総授業時間が2550時間に達していなかったため、区分としては第一区分となり2年間の修学で62単位の積み立てが必要でした。
日本福祉大学の編入も三年次への編入、卒業に必要な単位数も62単位でした。
学士への途を読んでいただくとわかる通り、第一区分から学位授与のための積み立て単位で必要な規定は
1.専門学校を出てから二年間以上の修学で計62単位以上
2.各専門科目の単位(専門によって違い鍼灸の場合は専門科目40単位以上、関連科目4単位以上)を専門学校を含めて計62単位以上。うち31単位以上は専門学校卒業後の単位。
3.専門科目の単位以外の単位を24単位
4.外国語の単位
のみです。
これがしっかりと満たせていれば問題なく積み上げ単位は通過できます。
日本福祉大学での単位認定は授業こそ取る必要がありませんが、今までの学歴から”キャリア形成”や、”医学概論”といった科目として単位が認定されます。これは大学から認定された歴とした単位でありこれによって日本福祉大学の本科も卒業できるのです。
学位授与機構で認められる単位の修得先は”大学の単位”、”認定専攻科の単位”、”大学専攻科の単位”です。
よって日本福祉大学から正式に与えられる単位認定も問題なく、”専門以外の単位”として使うことができます。
他の方のブログで単位認定が認められなかったということについては僕は存じかねます。
少なくとも僕は認定単位は何も問題だと認識せずに申請し、無事に通っています。取得した単位も無駄な費用は避けたいためそれを差し引いたギリギリの単位数で提出しました。
不安があるのであれば実際に学位授与機構に問い合わせてみることをおすすめします。
もしかしたら機構の方でも審議中なのかもしれません。
少なくとも”学士への途”に記載がない上でこれが不適切とみなされるのは、理解しかねます。
参考になれば幸いです。
ありがとうございました。非常に参考になりました。学位授与機構にも問い合わせてみたいと思います。
Kokiさん
初めまして!新しいシェアハウスの住み心地はいかがですか?
私も学士についての質問させていただけますか?私も福祉大学ですが、ご返信にも書かれているように、専門学校卒業後に専門科目以外の単位が24単位必要、そして専門関連単位が62単位そのうち専門学校卒業後に16単位以上必要と授与機構の方の説明に書かれていますが、医学概論(2単位)+キャリア形成 初級(2単位)+キャリア形成 中級(2単位)+キャリア形成 上級(4単位)=計10単位(→私の場合全部で14単位もらっています。)
この専門関連等での16単位にこれらのキャリア形成は含めることができましたか?
専門&関連科目での新たな16単位の中にこれらの資格認定単位が含まれれば助かりますが、ほとんどそれ以外の科目を履修しています…。
なので専門科目以外の24単位は取れてくる予定です。(これから秋試験です)
もしお分かりになりましたら是非!教えてくださいませ☆
フランスさん、初めまして!
新しいフラットにももう慣れてきていい感じです笑
質問に対してですが、僕は医学概論の二単位は専門関連に含めで提出しましたが、キャリア形成に関しては関連科目以外で提出しました。
学位授与機構の審査の基準がわからないのではっきりとは言えませんが、専門科目は別の科目で履修し、キャリア形成はその他の枠組みで出した方が間違いはないと思います。
KOKIさん
ありがとうございます!
夢…たくさんありすぎて~。ひとつずつ叶えていきます!
あ~キャリア形成は専門科目として無理なのですね…
現在社会保障論位しか受けておらず…まったく畑違いのFP関係の講座をとってしまっていました…専門科目の16単位…ちょっと遠いわぁ~。鍼灸学士をあきらめなければもう1年大学在中になりそうですよぉ。
KOKIさんは専門科目はどういった講座を受けられましたか?専門科目としてめぼしい講座がないようなと私としては思ったのですが…KOKIさんが忘れていなければ是非教えてください~。
フランスさん、
そのあたりは明確になっていないので僕もどの科目を受けていいかわからず迷っていた覚えがあります。
でも提出した感覚からこれはそこまで厳しいものでもないように感じました。
というのも実は最初に取るべき単位数を勘違いしてしまい、僕も専門科目はあまり取らずに受講してしまっていて後から慌てた覚えがあります笑
なのでその時には少し凹みましたが、どうせ論文も仕上がっているし、もしも単位がダメでも論文さえ通ればまた単位を取ることで論文免除で申請できるからダメ元で提出してみようと思い切って、科目も割と無理やりこじつけて提出しました笑
明確ではないですが覚えているところでは”医史学に関する項目”に普通の日本史を入れたり、”文化人類学に関する科目”にインターネット講習などをいれていた記憶があります。(過去の資料をチェックし明確にわかったらまた書きますね)
単位が足りなくて落ち込むことはないです。僕のように無理やり入れれそうなものは入れてみるのも手ですし、どうしても無理だと思ったら他の大学で科目履修を受ければ低予算で半年で稼げます。
申請時期は年に二回なので取るのが半年伸びるだけです。学習成果さえ通ってしまえばどうにでもなります!
KOKIさん
ありがとうございます。
なんとかこじつけでトライしてみます~(笑)
鍼灸治療前後の消毒、私もほとんど消毒無し状態です。菌に敏感な日本では気になる人にはもちろん消毒はきっちりしますが。そして働く環境、実に海外に出ると文化の違い?環境の違い?いろいろとみえてくるものがあり、その後の生活も一変します。半面、自分が日本人である事で何ができるかと思ったりもします。
こんにちは!一つ質問よろしいでしょうか?kokiさんは日本福祉大学を卒業された様ですが、3年次編入をして資格単位認定を含めた62単位を取得し卒業し、その後学位授与機構にて鍼灸学士を得たという理解で間違いないでしょうか?
メディさん、返事が遅れてすみません!
はい、その認識で間違いありません。