心とは?脳と量子コンピューターの関連性 ~Part.2~

 

今回は昨日あげた記事の続きで、後編になります。

 

 

前半を読んでいない方は先にそちらからどうぞ!

脳と量子コンピューターの関連性 ~Part.1~

 

 

 

そして前回と同様、量子の特性について話すのでこちらの記事も先に読んでおくといいと思います。

地球の裏側でも瞬時に影響?”量子もつれ”

 




 

量子ビットと量子コンピューター

 

前半の最後で書いた通り、脳には三次元の考えでは理解ができない高次元の神経構造があり、そこに感情などを生み出すポイントではないかと考えることができます。

 

 

現在の二進法を用いたコンピューターの計算は、どこまで電気信号を増やして複雑化させても、三次元の枠から出ることはできません。

 

 

しかしその三次元を超える計算方法を持つコンピューターが存在します。

 

それこそがタイトルにもある通り、量子コンピューターです。

 

 

 

 

量子コンピューターとはその名の通り、量子の性質を利用したコンピューターです。

 

この量子コンピューターを使えば、現在世界一強力なコンピューターよりも

何千倍、何万倍、何億倍以上も早く計算できることになります。

 

 

 

 

量子の特性の何がそこまで計算を爆発的に早めるのでしょうか。

 

 

前半で説明した通り、コンピューターは1と0の二つのビットを複雑に組み合わせて計算しています。

つまり現在のコンピューターでは1と0は反対の立場であり、違いが逆の動きをする存在です。

 

 

 

しかしこれまでの記事で話していた通り、量子とは観測されていない時は重ね合わせ状態により、二つの動きを同時に行うことができます。

 

 

つまりその特性を利用すれば10という二つのビットに分けなくとも、

量子の特性を持つ一つのビットで、二つのビットの代役ができるのです。

 

この量子の特性を持った万能ビットを量子ビットと呼びます。

 

 

その量子ビットを用いて計算を行なうのが量子コンピューターと呼ばれるものです。

 

 

 

 

量子ビットでも二つのビットしかカバーできないのであればあまり違いは生まれないのではないか

と思ってしまうかもしれません。

 

 

確かに一つだけを比べてもなかなか違いは見えません。

量子ビットが驚くべき違いを生み出すのはその数を増やした時です。

 

 

 

通常のビットは”1″と”0″。量子ビット(Quantum bit)は”Q”で表示します。

 

 

1と0の二つの動きを備える量子ビットだとあらゆるパターンの計算を同時処理で行うことができます。

 

例えば通常のコンピューターで3ビット分の計算を行うと、

000

111

010

001

011

100

101

110

8つのパターンに分かれ、計算処理回数も8回分必要になります。

 

 

これと同じ計算を3つの量子ビットが行うと、

QQQ

1パターンで済みます。計算処理回数も一回だけです。

 

 

 

Qビットの数が一つ増えるごとにそのパターンはその前の数に比例して増えていきます。

数学的に言うと”~乗”と表記する指数関数的な増加です。

 

 

 

古典的な通常のビットだとパワーを二倍にするにはその分ビット数を二倍にする必要があり、

計算処理回数も二倍必要になります。

 

Qビットだと一つ付け足すだけで二倍どころか、その前の数だけ倍増されます。

そして計算処理回数はどこまで増えても変わらず一回のみです。

 

 

 

ではそれを踏まえた上で、もしQビットが40個並んだら扱えるパターン数はどのくらいになるでしょうか。

 

答えは一兆通りです。

 

 

もしQビットが300個並べば、

宇宙全体の大きさの古典的コンピューターをも上回る計算力を発揮します。

 

 

そしてそのいずれでも処理回数は1回だけで済みます。

 

 

 

 

このように量子ビットが増えるほど、計算力が爆発的に増えるのが量子コンピューターです。

 

量子の奇妙な特性が究極の並列計算を可能とさせるのです。

 

 

 

しかしながら量子コンピューターにはたくさんの課題があります。

 

 

量子ビットがそれぞれの量子ビットと繋がって並列計算を行うには、その量子ビット同士が量子もつれ状態でなければなりません。

 

そして量子ビットが重ね合わせ状態を保てるのは量子が確認を受けていない

コヒーレンス状態を保てている時だけです。

 

 

他の分子や原子からの接触を受けるだけでも量子デコヒーレンスが起こり、

重ね合わせ状態は失われてしまいます。

 

 

重ね合わせ状態を保つには、温度を絶対零度(-273度)近くまで冷やし、他の原子や分子の動きを止める必要があります。

そうしないと量子コンピューターは機能を保つことができません。

 

 

 

 

そんな中、脳が量子コンピューターと言えば

そんな訳がない

と思われます。

 

 

ご存知の通り、僕たちの脳は間違いなく絶対零度ではないですよね。笑

脳の中のような暖く湿った場所では、常に分子も原子も散乱し動き続けている状態です。

 

 

その中ではどの量子も間違いなく重ね合わせ状態を保つことなどはできません。

 

 

では脳の中では量子の働きは皆無と考えてもいいのでしょうか。

 

 

 

 

脳の神経発火は量子の働きによるもの

 

脳の計算方法はビットではなく、神経発火の繋がりです。

 

そしてその脳の活動の引き金となる活動電位について深く見てみるともう少し面白い面が見えてきます。

 

 

 

神経伝達のメカニズムは基礎生理学を学習した人であればなんとなくは分かります。

 

神経細胞とは長いヘビのような形をした三つの部位からなる細胞です。その神経細胞がいくつも連なりあって神経伝達を引き起こしています。

 

神経細胞内で活動電位は軸索と呼ばれる長い導線のような部分を伝って伝わりますが、これは導線の中を電気が伝わっていくような考え方とは根本的に違います。

 

 

神経細胞の内と外にはイオン分布の違いがあり、細胞外の方に正電荷を持つナトリウムイオンが多く存在することによって、約1000分の1ボルトの電位差が発生しています。

大したことはない電位差ですが、数nmの厚さしかない小さい細胞膜に隔てられているだでこの電位差だと考えれば、かなり大きい電位差だと考えることができます。

 

シナプスからの神経伝達物質が接合部に放出されると、神経細胞の細胞膜にあるイオンチャネルと呼ばれる窓が徐々に開き、細胞内外の電位差が急激に小さくなり、閾値を下回った瞬間にショートします。

 

膜を隔てた電位差が変わると電位依存性イオンチャネルという別種類のイオンチャネルも開き始めて、ショートを加速させます。

 

軸索には電位依存性イオンチャネルが並んで存在しているため、細胞膜のショートはドミノ倒しのように続いていきます。

 

これが神経細胞による活動電位の伝達方法です。

 

 

 

 

ここまでは上に書いた通り、基礎生理学の本や教科書を見ると載っています。

図もあって分かりやすいです。

 

 

 

現在脳の中で量子的な動きが見られていると確認されているのは、

神経伝達中で重要な役割を持つイオンチャネルです。

 

 

イオンチャネルが窓のように開いて一つのイオンを通過させる選択性はあまりにも高性能です。

 

例えばナトリウムイオンはカルシウムイオンよりも少し小さいにも関わらず、

チャネルはカシウムイオンは通過させて、ナトリウムイオンはブロックすることができます。

その中でナトリウムイオンが通過できる確率は一万分の一だと言われています。

 

 

 

どうしてそのようなことが可能か未だはっきりとはわかっていませんが、

現在ではイオンの通過は量子の特性によるものだと考えられています。

 

 

ある研究チームがナトリウムイオンが電位依存性イオンチャネルを通過する際の動きに対して量子力学的シュミレーションを行ったところ、

イオンチャネルが開くとナトリウムイオンは非局在化して広がり

子としてではなく波動としてイオンチャネルを通過するということが確認されました。

 

つまりイオンはチャネルの通過の瞬間に量子コヒーレント状態になっているということです。

 

 

 

しかし上に書いた通り、脳の中では量子コヒーレント状態を保つのは難しいはずです。

イオンはどうやって他の原子や分子の接触を避けているのでしょうか。

 

 

同様の実験でイオンがチャネルを通過する際、イオンが振動して周りにエネルギーを逃すことによって、

チャネル内の温度が下がっているということがわかりました。

そうしてイオンを適度に冷却することにより、量子デコヒーレンスを少しでも長く食い止めているのです。

 

 

正確すぎるイオンの選択性も、そのチャネル内の冷却の程度によって生じているようです。

イオンが出すそれぞれ違った振動によって、イオン内の冷却度が大きく変わることで、

結果的に非局在化できるイオンを選択しているのです。

 

 

 

ここで明かされるのは僕たちの意識や動きを形作る基本的な働きが量子の特性によるものだということですが、

 

今ここで何よりも重要なのは

分子や原子が飛び交う脳の中でも確かに量子的な作用が起こっているということです。

 

 

 

細胞小器官・微小管が並列計算?

 

脳の中で量子的な働きがあることがわかったとしても、

それでも量子デコヒーレンスを食い止めるのはかなり困難であることには間違いありません。

 

では脳の中にある量子的な作用はイオンチャネルだけなのでしょうか。

 

 

 

量子コンピューターと脳は同じものだと提唱する理論の中に、

各神経細胞内にある微小管が量子ビットの代わりだとする理論があります。

 

イギリス人の物理学者、ロジャーペンローズによる理論です。

 

 

細胞小器官に微小管と呼ばれるものがあったのは覚えていますか?

あれです。

解剖学で習いましたね。その機能に関しては全くと言っていいほど触れてはいなかったと思いますが笑

 

 

 

微小管を構成するチューブリンと呼ばれるタンパク質は長い形と短い形の二種類の形を作ることができます。

さらにそのチューブリンは量子のように重ね合わせ状態になることができるようで、さらに他の神経細胞のチューブリンと量子もつれの関係にあるというのです。

 

しかしこの理論には多くの反論があり、計算によればこのチューブリンがコヒーレント状態を保てるのは長く見ても数ピコ秒程度のようで、計算を行うにはあまりにも短すぎるようなのです。

 

 

もしもこのチューブリンがイオンチャネルのように、何かデコヒーレンスを阻止できる環境を備えているのであれば可能性はあるかもしれません。

 

が今のところは希望の薄い可能性でしかないようです。

 

 

 

意識の鍵は”脳派”

 

脳全体には神経細胞の発火により電磁波が生じています。脳波と呼ばれるものです。

 

これは脳の神経活動の副産物と捉えられてきましたが、

この脳派自体が意識と強く関係しているという説が強くなっています。

 

 

上の微小管の話で書いた通り、量子コヒーレントが保てない以上、量子もつれを継続させることは不可能で、

脳内での並列計算は不可能でした。

微小管にはでコヒーレントを食い止める術がないからです。

 

 

 

しかし脳派が起こる場所は紛れもなく神経細胞内であり、神経の発火が起こる場所です。

 

脳波測定などで脳の活動を読み取れるように、その脳の電磁場には神経細胞の発火パターンが記録されています。

 

そして何よりも電磁場は量子コヒーレント状態のイオンと相互作用することができます。

ここに脳波が量子コヒーレント状態を保っている他の細胞と影響し合っている繋がりのヒントが隠れているのかもしれません。

 

 

実際に脳波に似た電磁場を脳の外からかけると、その脳派と似た神経発火が脳の中で起こることは確認されています。

 

電磁場が脳内の量子コヒーレントを保つイオンを繋ぎ合わせて、神経発火を引き起こしているのだとすれば

“意識”とは脳波が繋ぎ合わせた量子の繋がりによって引き起こされているのかもしれません。

 

 

 

終わりに

 

長くなってしまいましたが、

脳と量子コンピューターは同じものなのかという難題の話を二回に分けて行いました。

 

 

今世界中の学者たちがそれを暴こうと必死になって様々な研究を行っているところです。

 

答えがわかるかわからないかよりも考えることに意味はあります。

 

 

もしも脳の中で量子ビットのように並列計算を行っているのであれば、

量子コンピューターと同様に別次元で計算しているということになります。

 

そうなると意識について少しだけ理解が深まるかもしれません。

 

 

 

近いうちに量子コンピューターはどんどん実用化されます。

 

量子コンピューターがその機能を大いに発揮し始めた時、機械に意識という兆しが見えるのでしょうか。

これもその時にならないとわかりません。

 

 

結果はわからないことだらけですが、少しでも考えるきっかけになれれば幸いです。

 

 







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心とは?脳と量子コンピューターの関連性 ~Part.2~” への2件のフィードバック

  1. 昨夜から「量子もつれ」「タイムトリップ」が気になり、ググっていたら貴方のサイトを発見しました。とても面白い記事でいっぱいですね。
    分離意識の投影となって、計算機や核分裂が生まれてきたけど、最近、こう感じています。意識が深化していくいま、ひとつひとつの細胞が雛形であるという自覚にめざめ、それがおおきなひとつの自覚と重なりなっていく。量子計算、核融合に上書きされていくような。その扉が松果体にあるのではないかと。母音が松果体を刺激し、珪素が、各細胞にある松果体(微小管)の栄養になっていくような。インターネットが、過去のデータの集合体であるのに対し、いわゆるアカシックレコードには永遠が記録されておき、それを参照していくのが量子の世界といってような妄想もひろがります(笑)。

    ここ数年、意識の分野でも、非二元ブームが起こっていて、観察者なき観察。意識が意識にきづくときのいわゆるサトリについて、語る人も多くなりました。
    KIKIさんも今までのような固定観念のない、やわらかい方のようで記事の端々からそれを感じ、楽しませてもらっています。
    量子医学、クオンタムンヒーリングの鍵となる第4の意識。
    キンズローさんのQEも、日本でも紹介されはじめ、遠隔治療で遊んでますね。

    とりとめもないコメントになりましたが、KIKIさんの日々の着眼点を愉しみにして、引き続き読ませていただだきますのでよろしくお願いします!

    1. ryokouさん、コメントありがとうございます!

      非常に興味深い事柄に関しての記述が多くて何から書いたらいいやら笑
      アカシックレコードという言葉は知りませんでした。三次元の上に過去から未来までの全ての情報を持ったデータベースのようなものの存在はあると考えていましたが、同様のものと考えてもいいかもしれませんね。
      松果体のチューブリンは注目されてますよね。植物が光合成を行うのに量子デコヒーレンスが必要である以上、人体内にもそのような機構が存在して当然かと考えています。そしてチューブリンが量子計算などの役割の一端を担っているのだとしたら、松果体が扉となり高次元への幾らかのアクセスが可能だということは大いにあり得ます。ケイ素が松果体を育て、フッ素が松果体の機能を妨害するというのも面白いですね。

      様々な気付きをありがとうございます!
      色々と自分でも思考していろんなアイデアが芽生えてきているのですがそれをうまく文体化できずあまりあまりアップデートできていませんが、これから徐々にやっていくつもりです。
      これからもryokouさんの着眼点からのコメントもいただけると非常に嬉しく思います!

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