鍼灸師として豪華客船に乗る直前の投稿をした後、全く更新せずに
ついに帰ってきました、日本。
船上生活が始まってから全く更新していなかったのでその記事を最後に読んだ方は
船に乗ってからはどうなったんだんだろうと考えている方も少なくなかったのではないかと思います。
大丈夫です。船の生活バッチリ楽しんできました。
船上の生活では書きたいことが山ほどあり、正直どれから書いたらいいか分かりません。笑
今回初めて船に乗ったわけですが、初めてのコントラクトにしては
いろんな事件があった方なのではないかと思います。
もちろんコロナウイルスの影響も莫大です。笑
かなり久しぶりですし、今回は
乗船してから帰国するまで
をざっくりと書いていきます。
意外と長くなってしまったので飛ばす人は飛ばしてください。
もっと深く細かいところは後日短めの記事にします笑
Contents - 目次 -
3隻の船
初めにタイトルにもある通り、この契約で乗った船は一隻ではありません。
船に乗船する数日前に書いた前回の記事。

POクルーズのオリアナに乗船するよーということを書いていましたが
それと同時にその船はいずれ中国に売却されるということも書きました。
例のピアノランドですねw(←まだ言う)
ということは自ずとこの船に乗船して2ヶ月後には
船を変更する必要が出てきます。
結果的にはもう一回船の移動が決まり、
計3隻の船に乗るハメになってしまいました。笑
通常は同じコントラクトでは同じ船にずっといることが多いのですが
3隻も違った船を見ることができて、第一契約としては結構ラッキーだったなと思っています。
Hello Oriana. そしてバイバイ

乗客数1822人のオリアナ。
古めの船ですが人気のあった船です。
オリアナ最後の鍼灸師として乗船できたことは嬉しく思います。

6月終わりに乗船して、8月いっぱいまでの航海ということで
計2ヶ月間の乗船を予定していました。
前回の記事で書いている通り、オリアナの残る航路で一番楽しみにしてたのは
ノルウェーのロングイエールビェン!
オリアナ最後の航海であり、地球最北端の町を巡る航路です。
すごくラッキーでここに行けるだけで他の航路はどうでもいいと思っていました笑
最初の航海は一週間程度フランスを周る航路で、
全然売り上げは出せませんでしたがなんとか終えました。笑
しかしこの一週間で船上生活にも慣れ、これが終わる頃にはいつもどっと疲れていたセミナーも力の抜き具合が分かってきました。

二つ目の航海は二週間のアイスランド!
2回目でなんとなくどんな感じで日常が回るかわかってきていたので
この航路から割とちゃんと売り上げが出せるようになりました。
友達とも仲良くなり、順調に船上生活をエンジョイしていました。

二週間の航海も後半に差し掛かり、後少しでターゲット達成というところで
ヘッドオフィスの人が数人船に視察に来ました。
(船では定期的にヘッドオフィスの人が乗ってきて、ビジネスチェックが入ります。売り上げが出ていなければ色々言ってきます笑)
他のスパメンバーに一人一人色々言って回るヘッドオフィス。非常にめんどくさい。
大体どのくらい売り上げるといいのか分からず、クルーズターゲットには届いていなかったので
俺も色々言われるんだろうなーって思っていたところ言い渡された言葉は、
”乗船して二週間でかなりいい売り上げ。君はこの船にいたらいけない。
少しでも早く船を変えるからパッキングしといてね”←ものすごい笑顔
とまさかのポジティブコメント。そして船の変更が近いうちに行われると。。
僕:”近いうちっていつ頃?”
ヘッドオフィス:”Very soon(めっちゃすぐ). 今日にでもパッキングしといて”
え、そんなすぐ?
ロングイエールビェンは?
次の船へ。よろしくArcadia
ヘッドオフィスの予言通りVery soonで、その三日後に船の移動が入りました。

結局オリアナに滞在したのは三週間だけ。
船のみんなとも友達になってきたところだったし、ロングイエールビェンも逃すし、
なんで今だー
ていうネガティブモチベーションでやって参りました2隻目の船、アーケディア。


出典:wikipedia
アーケディアはオリアナよりも少し大きいサイズの収容人数1952人の中型船。
P&Oの中では唯一ワールドクルーズに出る船で、航路がいいということでクルーからは割と人気の高い船です。
スパメンバーはオリアナよりも少し多いくらいでしたがスパのサイズは多分1.5倍近くあったと思います笑
とりあえず何よりもこの船はキャビンと治療室が一番よかったです。

船に来た翌週には仕事終わりに職場のみんなとこの部屋でビールを飲み、
映画を観ながらルームサービスのピザを食べるムービーナイトが日課になっていました。笑
(カナダクルーズの後にはそれぞれの港で買ったビールのコレクションを試飲する会も毎晩開き、楽しかったです笑)
そしてArcadiaの治療室も2部屋。

窓がでかいのが最高!
治療中に外の景色が見えるのと見えないのとでは気持ちが大分違いますからね笑


デンマークの島を結ぶグレートベルトリンクの下を通過したときは
治療中の患者と見上げていました笑

この船は航路がかなり多彩で、ノルウェーから地中海、カリブ海やバルト海、カナダなどかなりいろんな航路を周ることになりました。
船の友達とも仲が深まり、稼ぎが悪いクルーズに苦戦したりしながらもそれなりのビジネスはキープした状態で航海は続き、
4ヶ月はあっという間に過ぎて行きました。
そんなある日カリブ海のビーチで泳いだ後、午後から出勤し、ミーティングをマネージャー抜きで行うことがありました。
ヘッドオフィスとの連絡でよくメールは使うので、ちゃちゃっといつも通りメールを確認したところ、
新着メールの件名にある言葉が見えました。
“Acupuncturist Transfer to Ventura”
(鍼灸師のVenturaへの移動について)
またかい!
契約終了2ヶ月前に..どうもVentura
メールを見つけた瞬間ミーティングそっちのけで叫んでしまい、
その部屋にいた全員(スパメンバーの約半分)がマネージャーより早く僕の移動を知ってしまう事態に(笑)
そのミーティングが終わる頃には既に二人ほど友達が涙目になっていました。。
それは俺も泣きたい!笑
一応メールは未読に戻しましたが、どうやら二週間後にVenturaという船に移動をすることが決定してしまっているようです。
その後マネージャーや何度か契約をしたメンバーからは、
” Venturaはスーパーパフォーマンス船だからよかったね”
“会社に認められてなかったらこの船には送られないよ”と言われ、
理由はどうあれマイナスって訳でもないし、
もう決定した事なのでポシティブな気持ちでArcadiaを後にしました。
船の上に4ヶ月いたので、久々の地上滞在です。
しかも3日も。

電車で一時間ほどでロンドンにも行けます。

バリバリ観光とクライミングを楽しんでいました笑
3日間の地上を楽しんだ後、最後の船が港に到着。

Venturaは同じP&O cruiseで乗客数3080人の大型船。
最初に乗ったOrianaの倍近い乗客が乗っているということになります。

もちろんスパのサイズも大きく、人数も前の船の1.5倍ほど。
大きさはともかく個人的には大きなスパプールが真ん中にあるArcadiaの方がスパとしては好きでした笑
部屋は同じ2部屋で、必要であれば3部屋用意すると言われましたが、
同時に3人治療は結構しんどいので必要な時だけ使わせて貰うということでパスしました。

クルーズによりますがビジネスとしてはこのVenturaが一番やりやすかった気がします。
船内放送のテレビにも鍼灸師は呼ばれます。

Medispaドクターがいるのもこの船が初めてでしたね。
鍼灸師はマネージャーを除いてスパで唯一のオフィサーなので一人になりがちなのですが、
Drもオフィサーなので一緒にテレビに出たり(上の写真でも右手に写ってます)、オフィサーズメスでご飯を食べたり、一緒に過ごす時間は多かったです。

オリアナはもうありませんが、前の船Arcadiaと港が被ることも何回かあり、、

前のチームメイトに久しぶりに髪を切ってもらいうことも。

クリスマスや新年もこの船で迎えることになりました。
クリスマスにスパメンバーからサプライズで勝手にされた部屋のデコレーション笑

この船に移り1ヶ月以上が経過し、新しい船内の友達との仲も深まり
新しい年のスタートを切りましたが、そのすぐ後くらいから日本にも徐々にやってきましたね。
Covid-19。新型コロナウイルスです。
ウイルスに振り回され始めた船会社
僕が元々この最後の船に乗ると予定していた期間は約2ヶ月。
もうそろそろ終わりというところでこのウイルスの影響がアジア各国で出始めました。
ヨーロッパの方では当時はあまり影響が出ていなかったので、
皆今アジアが大変だねといった割と遠いところの話でしたが、
ダイヤモンドプリンセスの一件もあり、船会社はどこもかなり慎重になっていました。
そんな状況では日本や中国などから鍼灸師をホイホイと船に連れてくるわけには行きません。
僕の次に入る予定だった鍼灸師も突然キャンセルになり、マネージャーから
船に滞在する期間もっと伸ばせない?
とお願いされ、僕もウイルスの影響がある日本にはあまり帰りたくなかったので承諾しました。
結果的にはウイルスの世界的大流行が起こり、
船が全船停止してしまいます。
クルーに残された道は国に帰るか、船に残るか。
僕は船に残った方がいいのではと思ったのですが、対応は会社によって違います。
スパの会社であるスタイナーは可能な限り、クルーは国に返す。
という選択をしました。
静かな旅の終わり
船が停止した数日後にはスパチーム全員のフライトチケットが発行されました。
国によっては自国に帰ることができない人もいるので、その様な人は船に残ります。
最後の二週間はポートに降りることもできず、
恐る恐るようやく降りたイギリスでは、、
自粛ムード、ゼ・ロ

しかしいつもは騒がしい港ももちろん誰一人としておらず、
ひとり静かに空港へと向かうことになりました。

日本に帰ってきて既に1ヶ月以上が経過しました。
僕は再び次の船に乗ることを計画していましたが、今のところ船が再開できるかどうかは定かではありませんし、誰にもわかりません。
今はただ待つしかありません。
僕はその間にもこのブログや、他のメディアから情報を発信したり、
自分を磨くいい機会だと思ってスキルアップに励もうと思っています。
もし機会があればライブ上で質問を受け付けることなどもあるかもしれませんが、
その様なイベントがあればそれについても、後ほど詳細を上げようと思います。
今回はまたまた久しぶりの更新なのでざっと乗船してから帰国してまでを書きました。
意外と長くなってしまいましたが最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!
船に関する細かいことなどこれからどんどん上げて行こうと思っています。
どうせ動けませんし。。笑
聞きたいこと、要望等あれば是非教えてください。
それについて記事に書くこともあるかもしれません。
お疲れ様でした。
ブログの更新が無かったものでとても心配でした。
今、客船かなり大変みたいですね、、、
ところで、もう一度客船に乗るツモリだったと仰っていますが、
以前別の記事で大学院に進学すると書いてあったと思います。
客船に乗るのはその学費を稼ぐというのも理由の1つなんでしょうか?
また、差し支えなければ教えて頂きたいのですが、どこの国の大学院を目指されていますか?
りんごさん、心配していただきありがとうございます!
クルーズ業界は今はどこもかなり大変だと思います。
はい、クルーズ船には資金集めのために乗ることを決めました。大学院は今は最有力候補でドイツ、またはノルウェーを考えています。が、変更もあり得ます。笑
もしかしたら進学よりも他のことを始めるかもしれませんが、、
ドイツかノルウェーですか!
またブログか何かでその国の大学院を選んだ理由とかお話して頂けると幸いです。
応援しています。頑張ってください