海外へ行きたい鍼灸師へ。鍼灸師の国際化は簡単です

 

三年ほど前、こんな記事を書きました。

 

日本の鍼灸師はもっと海外を見るべきだと思う話

 

 

記事内で言っていることを要約すれば、鍼灸師だったら日本を出た方がいいことあるよなのですが、この記事から3年経った2020年現在、

国内鍼灸師は相変わらずの立場を貫いています。笑

 

 

 

こう言われるとムッとくる人もいるかもしれないし、自分はやれている!と思う人もいるかもしれません。

 

しかしこれは鍼灸師個人の問題ではなく、この国のシステム上仕方のないことだと僕は思っています。

むしろ個人としては日本にはスキルが高い鍼灸師が多くいる印象も受けるくらいです。

 

 

 

 

以前の記事で鍼灸師は海外へと書いきましたが、これは全ての人に対しての解決策には全くなりませんね。

 

 

だって不安じゃないですか。

 

 

 

でももし勇気を出して世界に出てみようかと少しでも思っている人がいるなら、状況を今直ぐにでも変えられる可能性は十分にあり得るのです

 

なぜなら鍼灸師という職業は一度出てしまえば海外では生きていきやすい職種だと僕は実感しているからです。

 

 

 

 

僕がそう思う根拠を今回は三つ挙げます。

 

  • 世界中にフィールドがある
  • 海外の認識ではまだまだ発展途上分野
  • アジア人補正(笑)

 

さて、順を追って見ていきましょう。

 

 



 

鍼灸は世界中にフィールドがある

鍼灸が世界的に見て強いと思う理由の一つは

世界的に見た時のフィールドの規模が半端じゃないからです。

 

 

鍼灸師は英語圏ではAcupuncturist(この呼び名は鍼師のみで灸師は含みません)と呼ばれますが、この職種は世界中で存在しています。

 

理由は鍼灸師ならご存知の通り、鍼灸の歴史の長さ鍼の汎用性の高さです。

 

 

 

 

一つ目の歴史の長さについては言うまでもありません。

 

 

鍼灸の大元は当然中医学で、真相はともかく(笑)なんと2000年以上の歴史があるらしいです。

中国はその技術を世界中に持っていき日本には6世紀頃には伝来していたと言われています。

 

中国人が古来から世界中にTCMを持ち回ったおかげで、2020年の現在では

なんかよくわからんけど針を刺して治す治療法があるらしい程度の認識は、

世代問わずかなりの人間が持っているのではないでしょうか。

 

 

 

今のところ僕の人生で出会った人でよく知らなかったり、Acupunctureと言って分からなくても、

“針刺して治すやつ”って言えば全員があーあれね!と言うリアクションをとりました。

 

今までの僕の人生で知らない人ゼロですよ?純粋に凄くないですか?笑

 

 

 

 

 

 

そして歴史に加えてこの知名度を底上げしてるのが、2つ目に挙げた鍼の汎用性の高さです。

 

 

中医学から始まった鍼灸ですが、今ではそれだけではありません。

 

 

例えばより西洋医学に基づいて鍼を用いるドライニードリング

多くのアスリートのパフォーマンス向上のために世界中で用いられています。

 

基づいてる理論は東洋医学とは全く違うのですが、患者からすれば鍼灸もドライニードリングも違いがわかりません。

同じ”鍼を刺す治療法”です。

 

 

 

中医学を主体とした内科系の治療は勿論のこと、スポーツの現場や、

肌にハリを出したり、発毛を促したりといった美容の現場など幅広く鍼灸は活躍しています。

 

 

そして現代の殆どの人はこの鍼灸が適応されている分野のどれかには当てはまるんですよ。

 

例えば身体の痛みは全くなくても、美容には興味があったり、などです。

 

 

 

この鍼灸の適応分野の広さが鍼灸師の活躍のフィールドを大きくしていることも大きなポイントです。

 

 

 

 

逆の例を出すと日本国内のヘルスケアにおいて重要な役割を担っている職種に柔道整復師があります。

 

しかし柔道整復師は日本特有の資格である為、それのみで海外に出て活用するのは実質不可能です。

 

もちろん柔整で培った経験やスキルを他の治療で用いたり持っている資格として履歴書に書くようなことはできますが柔道整復師単体の資格では他の国で柔整として治療を行うことはできません。

(国により違いがあったり、アンダーテーブルで治療を行うことは可能かもしれませんが、法的基準が存在しない以上専門業務という枠からは外れます)

 

 

 

そう考えると鍼灸の存在がほとんどの国で多くの人に認知されていると言うのはかなりのアドバンテージなのです。

 



多くの国で鍼灸はまだまだ発展分野の認識

今世界では現代医学一本の選択肢しかなかった時代は終わり、代替医療(Alternative medicine)が伸びてきています。

 

僕の経験上特に欧米では、そのような寛容性がないと国として時代に取り残されるのは当然という認識だったり、

医療従事者でもそうでなくとも近代医学の限界や薬を取り続けるヘルスケアへの疑問を持つ人が多いです。

 

 

 

東洋医学・鍼灸はその代替医療の中でも人気、知名度共にトップクラスです。

 

もちろん懐疑的だったり(気と言っても理解は無理です)鍼は嫌い!という人も多くいますが

代替医療の中では大きな役割を担っている方だと思います。

 

Most Popular Alternative Healing Therapies

こちらの記事も参考までにどうぞ。

 

 

 

鍼灸は日本では古くて技術のない頃の昔の医療という認識かもしれません。
しかし東洋医学が来てまだ半世紀ほどの殆どの特に欧米の国にとっては、鍼灸は比較的新しい分野になります。

 

 

今や鍼灸はちょっと専門性高めのマッサージ的な立ち位置の日本の世論とは対照的に、

世界では現代医学への信用が減ると共にこのような伝統医療が注目され始めています。

 

 

故に海外ではこれから伸びる可能性が大きい分野でもあるのです。

(残念ながら、日本では伸びません)

 

 

 

鍼灸師にはアジア人補正が入る

最後は冗談なようで割と大真面目です。

 

 

鍼灸師にはアジア人補正がかかります。特に欧米では。

 

 

 

鍼灸は中国から起こり、日本を含む世界中に広まりました。

映画などの影響から欧米でもその認識はあり、鍼灸についてあまり知らないという人でもそれが東洋からきたという認識を持ってます。

 

 

この記事を読めている以上あなたは日本語が堪能だと思いますが、

もしもあなたが純日本人の両親を持っていれば多分見た目はアジア人です(違ったらごめんなさい)

 

 

 

なのでアジア人の見た目で鍼灸をしていると言えば経歴あまり関係なく

あぁー本場の人だってなるんです。

 

 

 

ヨーロッパ人で鍼灸を長くやっている人ももちろん多くいます。

でもアジア人=本場の人っていう潜在意識はそう簡単には消えません。

 

 

その時点で既に有利なんです。

 

 

 

 

 

もしもフランスでパン屋さんを開こうとしたらフランス人の潜在意識には

“パンの本場はうちだから”ってのが大前提としてあります。

 

イタリアでエスプレッソを淹れてても同じように思われるし、

ドイツでビールを醸造しても同じように思われます。

 

 

不公平ですよね。でも逆に考えてください。

ヨーロッパ人の寿司職人純日本人の寿司職人の店が全く同じ条件で並んでいたらどちらに入りますか?

 

 

技術や経歴に外見は関係しない。

国際社会の現代、そんなの誰でも頭ではわかっています。

 

でもその2人の経歴を比べる以前に既に頭の中の潜在意識はどちらが信用できるかという判断は下しています。

 

 

人間の認識ってそのくらい適当なものです。

 

 

 

 

 

 

そしてそのアジア人補正があるからこそ、

あまり英語が上手くなくても大丈夫と言う強みにもつながります。

 

 

英語がネイティブなアジア人は世界中にいくらでもいます。

 

しかし英語が拙いと出身がどこか遠くの東洋の国から来た鍼灸師、つまり

本場の鍼灸師という印象に拍車をかけます。

 

 

意思疎通が困難であるが故に相手の興味が引き立ち、

この先生は何かを分かっているという期待値も上昇します。

 

 

 

外見だけで既に現地の人に対してアドバンテージを持ち、

英語が拙いという弱点さえも強みに変えることができる職業。

 

 

めちゃくちゃ強いですよ。

 

 

 



 

自信を持って祖国を飛びだそう

以上三つが僕が鍼灸師って日本でたら強いと思う所以です。

 

 

別に海外の人と比べて日本人は技術があるとか知識があるとかぶっちゃけそこまで関係ありません。

 

世界にも日本にも凄い人はいっぱいいます。

 

 

 

でも鍼灸師という職業は海外に出てからも有利に働きますよということは

多分海外に出た鍼灸師の人のほとんどは言えるのではないでしょうか。

 

 

実際に出て見てなんか違うなぁと思ったら日本に帰ってくれば済む話です。

 

 

世界を知らないまま日本の沈みゆく医療業界で沈むまいと働き続けるか

大きなフィールドに身を移して有利に経営を進めるか

 

 

違いはただ動くか動かないか、のみです。

 

 

 

 

 

海外に出るとなると言語に不安を持つことが多いと思います。

 

このサイトと並行して運営しているThe Globe Lingoでは語学メインにコンテンツを上げています。

海外に出てみようかなと思った人は、ぜひ覗いて見てください。

 

 

 

 





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