
情報過多が思考を奪う理由。不要な情報が及ぼす悪影響とは
僕たちが生きる現代、当然のことながら情報に溢れています。
いつでもネットがあり、SNSがあり、You Tubeがあり、Netflixがあり、情報の嵐の中に常に身をおいて僕たちは過ごしています。
入ってくる情報量に対して僕たち人間が対応できているわけもなく、情報という本来武器であるはずのものに対して
ストレスや疲れを感じる人が増えています。
それらの症状を総称して情報過多シンドロームと呼ばれる場合もあり、メタボリックシンドロームや糖尿病などといった現代病の一つとして数えられるのもそう遠くはないのかもしれません。
そのように危険視されてる情報過多ですが、情報が溢れかえった状態が長く続くと思考状態に影響を及ぼします。
それをわかっていても具体的にどのように影響がでるか可視化出来ていなければ意味もないも同然です。
なので今回の記事は僕が考えるなぜ情報過多の状態だと思考を奪ってしまうのか、
そしてその危険性について書いていきます。
Contents - 目次 -
1日1時間しか本を読めなかったらその1時間の効率は上がる
僕たちは生存するために本能として新たな情報を得ようとする習性があります。
人間の子どもや動物の赤ちゃんでも、自分の身を脅かす危険因子を少しでも早く知っておかないと生存競争に影響します。
その本能が顕著に現れているのが好奇心です。
子どもや動物の赤ちゃんが興味津々ですぐに何かが気になっていたのが、大人や成体になって細かいことに興味をそそられなくなってきます。
それは世の中の多くに慣れ、身を脅かす危険性がないとわかっているからです。
日常での好奇心は薄れようが情報への欲求はいくつになっても人は本能で持っているものです。
わかりやすい例をあげます。
もしも本を一日1時間しか読めない制約を作るとしたらどうなると思いますか?
毎日読書する習慣がない人はこう考えてください。
Facebookやニュースサイト等で3記事までしか読めない制約です。
もし1日1時間しか本を読めないのであれば興味のない小説など読まず、読む本を慎重に選びませんか?
もし1日3記事までしか読めないのであれば、他人である芸能人のスキャンダルなんて読もうと思いますか?
情報量の制約ができれば僕たちは自ずと仕入れる情報を厳選する必要性が出てきます。
そうなれば人は自然と自分がその時に本当に必要とする情報を選定します
せっかく選定した本を開いてたった1時間しか読めないのに読書中に昼寝はしませんよね。
本を開いてもすぐ携帯をチェックしたり、集中できずに他のことを初めてしまう理由は、
後からでもいつでもいくらでも本を読めるという心理があるからです。
SNSからついついどうでもいいページを開いて細かいところまで読みもせずに他の記事に移るなんてことができるのは
際限なくいくらでも記事を渡り歩けるからです。
制限があるとその限られた時間内で情報を取り入れようと集中するものです。
情報量の制限は人間の情報への欲求を引き立てます。
故に情報が少ないほど、取り入れた情報の価値は上がるのです。
テレビは情報過多を引き起こす最大の要因であり、時間泥棒でもある
テレビばっかり見てると馬鹿になるという話は聞いたことはあると思いますが、これは本当です。
まず大前提として理解しておかなければいけないことがあります。
テレビは最強の洗脳装置です。
この記事でも少し言及しています。

テレビがなぜ最強かというと、作り出す仮想空間に知らないうちに引き込まれるからです。
仮想空間に無意識のうちに入ってしまうと、さも自分が経験したかの様に感じます。
実際にはそこに行ったことも、出演者に会ったこともないのに映し出されるそれが自分か経験したもの、真実だと錯覚してしまうのです。
当然テレビに流す情報量は放送者によってコントロールされています。
誰かのフィルターがかかった情報からしか判断することができないのに、それが真実だと考える方がどう考えてもおかしいのです。
ちなみに僕がこうやって書いて説明しても、考えすぎだと思った人がいると思います。
実はそう思う人が大半で、当然のことです。
人には一度信じたものを疑うのを拒む心理があります。一貫性の原理と呼ばれるものです。
過去にテレビを信じていた自分を裏切れず、考えすぎだと少しでも思った時点でテレビの大勝利、洗脳に成功しています。
こればかりは変えようもないのでテレビの洗脳の話はここまでにしますが、テレビが情報過多を引き起こす確信犯であることは明言しなければなりません。
テレビは情報過多を簡単に引き起こし、かつ時間をごっそり奪っていきます。
情報とは本来自ら求めて行くべきものです。
しかしテレビをつけていると次々と新しい情報が目の前に流されていきます。
その結果、自ら情報を求めようとしなくても受動的に情報収集が完了されていき、本来持つべきはずの情報欲求を満たしていきます。
もちろんその情報は自分がその時必要とする情報では全くありません。
しかしテレビはその特性を生かし、観る人を引きつけ、情報を頭に流し込みます。
テレビを一日中見ていようが、頭の中には何も残りません。
上に書いた情報の制限とは真逆の効果だからです。
テレビで情報を受動的に受け続けるだけの人間は、やがて自ら能動的に情報を収集する力を失います。
情報欲求を勝手に満たされる方が楽ですから。
テレビはエンターテイメントやお笑いなどから観る人の感情に働きかけ、
巧みに情報の奴隷を増やそうと今日も奮起しています。
自分は情報奴隷ではない!って人は今すぐにでもテレビを消して
自分が知りたいことの本をAmazonででも探してポチりましょう。笑
ちなみに2015年の調査では、日本人のテレビの平均視聴時間は世界第3位です。
Which country watch the most TV?
アイデアの組み立てに、多すぎる情報はノイズである
頭の中で考えを発展させたり、アイデアを構築する際に情報は大事です。
新しく構築するための材料がなくては作れるアイデアも作れません。
しかし情報が立て続けに流れてくる現代では多くの情報がノイズになり得ます。
情報を考える例として、頭の中にレゴブロックがあるとしましょう。
あるアイデアという形を完成させるには頭の中にある情報というブロックを巧みに組み合わせ、形作っていきます。
情報であるブロックにはぴったりとハマる形だったり、少し歪んでしまう形だったり、中には全然噛み合わないブロックもあります。
僕たちはアイデアの構築の際、頭の中にあるそのブロックの中から使えそうなものを選んでいきます。
材料であるブロックの少なさとは、情報の少なさを意味し、
本来ではいろんな形のブロックが多い方が便利であるはずです。
しかし情報過多の現代の状態では
使えるブロックではなく全然噛み合わないブロックが大量に現れ、消えていきます。
もしも情報量が足りないのであれば対処は簡単です。
アイデア構築のため使えるブロック(情報)をその都度仕入れればいいのです。
世の中にはいろんな形のブロックをたくさん持つ人がいて、
書籍などから使える任意のブロックを仕入れることは難しくはありません。
そこから新しいアイデアの形を作っていけばいいだけです。
思考力とは限られたブロックの中から何かを作り出そうと
色々と工夫するときに最も成長します。
深刻な問題は使えないブロックが大量に毎日増えて行く状態です。
その使えないブロックの集団は、本当に大事な使えるブロックを覆い隠し、大事な材料収集の機会を瞬く間に奪っていきます。
これが続けば、不必要なブロックはいっぱい持ってるのに使える情報は全く残らない状態が起こります。
使えないブロックを大量に持っていても、強固なアイデアを組み立てることはできません。
頑張って形作ろうにも、噛み合わないブロックでできたアイデアは脆く、少しの衝撃で簡単に崩れていくのです。
これが情報過多がもたらす思考力の低下の正体です。
限られた数のブロックから作ったアイデアは、
最初は歪な形で、壊れてしまうかもしれません。
しかし壊れた後には改善点を見つけることができます。
脆いポイントを強化したり、もっと適切な形のブロックを起用すればいずれは強固で大きなアイデアが完成します。
情報の使い方は本来こういうものです。
自分がアクションを起こすためのアイデアは、使える情報からしか生まれません。
その使える情報の邪魔をする情報過多の現代に慣れてしまえば、大きなアクションなど起こせるわけもありません。
まずはそのノイズを少しでも制限し、使える情報の選定から始めましょう。
20年前の世界と比べても、今の世界は別世界です。
インターネットやSNSの普及により、情報を得ようとすればいくらでも得ることができます。
だからこそ情報の使い方を知らなければ、自分の知らないうちに情報への奴隷に簡単に下ってしまう危険性があるのです。
現代は情報戦争です。
これからそれはもっと加速し、必要な情報を選定できる能力がある人が優位に立ち続けます。
情報過多の社会に呑まれれば、無意識のうちに情報選定能力のある人に支配される生き方を強制されます。
そのような生き方を防ぐためにも、自分が取り入れる情報についてはこれまで以上に気を張るようにして行く必要があると思います。
情報過多の危険性が少しでも伝わったのなら
この記事はいい情報ということでホっとしていいのかもしれません。笑
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