ニュージーランドと聞くと
羊や牛、自然の山々、乳製品に野菜など、
完全に農業国というイメージがありませんか?
僕はそうでした。
ニュージーランドには国産車がなく完全に輸入頼りです。
電子機器もほとんど海外から輸入したものばかりなので値段も高めです。
なので日本のような工業国とは程遠いのがニュージーランドです。
そのニュージーランドが数週間前に宇宙に行ったということで最近この国で話題になっています。
ニュージーに住む宇宙好きとしては流せない話なので紹介します。笑
Contents - 目次 -
NZの宇宙開発の存在を知る
僕は今は一年と半年くらいこの国にいますが、
ニュージーランドに宇宙産業があるなんてつい最近まで全く知りませんでした。
存在を知ったきっかけはある患者です。
初診の患者は毎日のように診てますが、初めての際には割と細かく治療の理論について説明します。時には経絡図なども見せながら。
その患者も初診だったので鍼を打ちながら理論についてを話していました。
僕がやるのは基本的に間中式の治療法なので、
”手足の鍼を繋いで電子の流れを動かしてバランスを取る”
という理論の話をするんですが、
まず一般の人には電子という言葉が馴染みないことが多いため、電子の代わりに“Stuff(物)”という言葉に置き換えて、濁して説明します。
その患者にもStuffという言葉で説明したのですが、途中で、
“Electron(電子)でしょ?”
と向こうからまさかの質問。
多分よほど物理学や、生物学などに詳しくないと知らないであろう言葉なので少し驚きました。
そこから話していると徐々にわかってきたのが、
彼女がニュージーランドの宇宙開発会社Rocket Labに勤めていて、
それもロケット発射のプロジェクトが迫っているということでした。
それから何度か治療を行い(ドローンの話で盛り上がったりしながら)、
ようやく打ち上げを迎えたのが三週間前。
打ち上げは無事成功。
国中のニュース、いやその界隈では世界的なニュースになりました。
ロケットの名は。
昨日、打ち上げ成功の後初めてその患者さんを治療し、治療後にYouTubeに上がっている打ち上げの動画を見せてくれました。
この動画は彼女が編集したもののようです。
試験的なロケット打ち上げなので“It’s a Test”というプロジェクト。
テストだけどバッチリ飛んでます。
動画はちょっとアメリカ(ハリウッド)的な雰囲気がしますが。笑
動画を見ていただければわかる通り、このロケットの名は
Electron。
エレクトロンとは電子のことです。
どうりでその患者も電子という名に馴染みがあったはずだとホームページを見て納得しました。
このエレクトロンは小型のロケットですが、
世界的に見ても最新の技術がふんだんに盛り込まれたロケットのようです。
僕はロケット開発に関しては無知なので
興味がある人は下のウェブぺージから確認して見てください。
なぜNZから宇宙へ?
さて、このRocket Labというニュージーランドの会社ですが
Headquarterはカリフォルニアにあります。
NASAと協力しやすかったり開発を行いやすいというのが理由のようです。
しかしそこまで大きい会社でなくとも、重要な社員はKiwiで統一されていたり、
発射はニュージー国内で行うなどNZへのこだわりが見て取れます。
打ち上げ場所としてですが、
ニュージーランドは意外にも打ち上げの好条件が揃っているようです。
Ministry of Businessの宇宙開発のページによると以下のような理由があります。
・立地が条件がいい
ニュージーランドは南に位置し、南極に近い国です。回転している地球の上では極に近づくほど回転速度が遅くなります。
そのためロケットを軌道に乗せやすく、アングル的にはニュージーランドは世界で有数の絶好の場所です。
また、技術が発展している国のほとんどは北半球に集中しているため、ロケットは北半球から飛ばされることが多いです。
ですが南半球では北とは全く違う軌道に乗せることが容易なので、宇宙業界においてニュージーランドからの打ち上げは新たなステップに踏み出せる可能性を秘めています。
人口が少なく田舎が多いため、場所を確保しやすいというのもポイントです。
・新たなビジネスを行いやすい
ニュージーランドは世界的にもビジネスがしやすい国として認知されています。
World Bank’s 2017 Doing Business Reportではビジネスのやり易さで一位にランク付けされています。(どのビジネスかによっては全く変わってくると思いますが)
ニュージーランド政府も宇宙産業へ参入するためのバックアップを積極的に行なっていきたいと明言しているので、その辺りもやり易さを担う一端のようです。
・国の法律が革新的
ニュージーランドの宇宙空間や、高層圏で活動するための法律は世界的に見ても宇宙開発に適しているようです。
ニュージーの法律では不要な手続きをなるべく行わなくて済むため、迅速に新たな技術を宇宙に送り込むことができます。
手続きで必要な承認等が少しでも少なくなれば、海外からの技術も資格などを考慮しなくても積極的に活用していけるため、ニュージーランドの国外からの技術もどんどん活用して行くことができます。
またロケットではないもの(風船など)も高層圏に送って活動させることが可能です。
このような利点は上にリンク付けしてあるニュージーランド政府のページより引用してきたものです。
他国の比べて本当に優れているのかどうかは断言はできませんが、いい条件がそれなりにあるというのは間違いはなさそうです。
終わりに
ニュージーランドがこれから宇宙産業にどれくらい本格的に参入して行くのかはわかりませんが、
エレクトロンのような高テクノロジーな小型ロケットの需要は結構多いようです。
ニュージー政府も応援しているようですし、これから大きくなって行ければ楽しみです。
ホビットのような国ですが、意外とNZもハイテクなところあるんだなーという驚きを共有できたなら嬉しいです。
またNZ宇宙関連でニュースがあれば紹介します笑