“ゆとり世代”は存在しない

 

”ゆとり世代に悩む人”

 

 

そう言われるとそこに該当する二種類の人間がいます。

 

 

ゆとり世代に迷惑をかけられて悩む他の世代の人と、

周りから”ゆとりだ”と言われて悩むゆとり世代の人です。

 

 

 

僕は平成3年(1991年)生まれなので、

ゆとり教育が本格的に学校教育に反映された2002年、僕は小5でした。

 

なので僕自身は世間でいうゆとり世代真っ只中の人間です。

 

 

僕自身はゆとり世代だろうが何世代だろうが人によるってことで答えは明確に出てるので全く気にしていないのですが笑、

日本社会の問題点がこのゆとり世代批判に顕著に現れていると思うことがあります。

 

 

 

なので今日はゆとり世代の僕が、ゆとり世代について書きます。

 

 

 

*ちなみにこれはゆとり世代を擁護する記事ではなく、

ゆとり教育という幻想に振り回されて若者の本質を見失っているのではないか、ということを綴った記事です。

批判されるそもそもの発端はその若者自身にあることがほとんどなので、

そこは勘違いしない様に読み進めてください。

 




 

失敗? むしろ改善

 

ゆとり教育自体には様々な意見があると思いますが、

個人的にはゆとり教育は失敗ではなく、むしろ改善だったと思っています。

 

 

理由は単純です。

そもそもそれまでの日本社会がおかしかったからです。

 

 

ゆとり教育の前は詰め込み教育と呼ばれ、当時の風潮では、

学生はたくさん勉強していい大学に入って、安定した会社に入ろう

という認識が蔓延していました。

 

その結果テストの成績は良くても、自分で考える能力や、創造力の欠如が目立つとの指摘が多く出ました。

 

そしてそれを変えようと、勉強時間を減らし子どもたちに自由に考えさせて、発想力自体を養う方向に教育を変えていこうとなったのがゆとり教育の始まりです。

 

 

 

この流れのどこかおかしいんでしょうか?僕的にはどう見ても正当な流れだと思います。

 

 

詰め込み教育時代に、昔から量産されていたような

上の言うことは何でも聞く。

若いうちは下っ端。

会社には個人を捨てて従事する。

という人材を育てたところで今の時代に必要でない人材になるとわかりきっています。

 

 

時代を読み、今までの日本の教育では世界には通用しないと考えている上での教育の改善がゆとり教育です。

そしてその読みは正解で、少なくとも以前の教育よりはマシだということは間違いないと思っています。

 

 

 

現在ではゆとり教育に対して始まった、俗に言う脱ゆとり教育とやらに変更されていますが、

政権が変わって教育方針が脱ゆとりに変わったとしても、どちらの政権の文部科学省も

目標や方向性は間違っていないと認識した上で進めています。

 

なので通常であれば、ひと昔前の教育よりかは前進と認知されるべきなのです。

 

 

 

ではどうして世間ではゆとり教育は間違えていたと言われているのでしょうか。

 

 

 

失敗ではなく、風評被害

 

ゆとり教育が失敗したと言われる要因はいくつもありますが、学力の低下を始め、

その他にも敬語を使えない若者すぐキレる若者情熱がない若者安定志向の若者などと

本当にそんなところまで影響あるの?笑

っていうくらいゆとり教育の悪影響という認識が広くある気がします。

 

 

結論から先に言えば、これらすべてがゆとり教育のせいだと考えているのであれば、

もう一度しっかりと考え直した方がいいです。

 

なぜならこの正体はマスコミが作り上げた風評だからです。

 

 

 

まずはよく取り上げられる学力低下に関してですが、

学校のカリキュラムで授業時間が少なくなった末に学力が低下するのは当然です。

 

今までは子どもが嫌だと思っても、いい会社に入っていい収入を貰うためには全員が勉強をすることが必須でした。

 

それが緩くなって、勉強したくない学生は前ほどは勉強しなくてもよくなりました。

なので結果的に総合的な学力レベルが低下してしまうことは必然なんです。

 

 

 

しかしこの学力の低下、

前時代と比べて学力が下がったとしてもほとんどの場合、大した問題にはなりません。

 

現在では、学校で習うことで日常で必要なことのほとんどが、

24時間いつでもインターネットで調べられるからです。

 

 

日本では大学入試を終えた段階で、そのほとんどの知識を使うことがなくなります。

進んで学者や研究者にならない限り、学校教育の学力の低下自体は大した問題ではないのです。

 

そう考えると、今まで良い大学に入るための勉強だった時代に比べて学力が下がってもそれは当たり前で、やる前からわかっていたことではなかったのでしょうか。

 

 

この学力の指標として用いられるのは PISA(Programme for International Student Assessment)という加盟国の15歳を対象にしたテストです。

 

この結果は調べればすぐ出てくるので上位国の移行を見ればすぐにわかりますが、

2000年当初はフィンランドニュージーランドイギリス、日本などの国が上位ランクインしていたのに対して、

近年の2012、2015年の段階ではシンガポール中国韓国などのアジア諸国が占領してる状態です。

 

現在のアジア諸国の教育体制は昔の日本にそっくりかそれ以上です。子どものうちからかなりの勉学を教え込まれます。

 

そのような国に同様のテストで勝とうとしても不可能です。

言ってしまえばゆとり教育の考えにシフトした時点で比べる必要もないのです。

 

 

ゆとり教育とは座学のカリキュラムを減らし、子どもたちにテストのための知識ではなく自ら考える力をつけるために始めたものです。

重要視するものが違うので、学力の低下自体を問題視する必要はそもそもありません。

 

 

 

 

敬語を使えない若者すぐキレる若者情熱がない若者安定志向の若者

などといった現在の若者に対する認識もゆとり教育と関連づけるのは間違っています。

 

言語は世代によって変わるものです。

若者の言語について言っている人は、大戦中に生きていた人たちと同じ言語を話していますか?

そんなわけないですよね。言語は文化や世代で決まるんです。違って当然です。

 

もともと若者はすぐ熱くなるものです。

以前は子どものうちから我慢を教えこまれる教育によりそれが抑えられていただけです。

でも今は違います。子どもの人権を優先しているので自分の気持ちを表現します。

生意気な若者だと思うかもしれませんが、若者のその熱は何かを生み出す原動力です。もともと抑えるべきものではありません。

 

情熱がないのも、安定志向なのも日本の経済状況などから考えてそのような若者が増えるのも仕方ないです。

この世代の若者はバブルでお金が溢れている時代も知らず、かつての強い力を持った日本に生きている訳ではないんです。

 

 

すぐにゆとり教育のせいだと繋げてしまう人は、それら全ての因果関係を都合良いように無視しています。

 

 

 

上に書いたことは全て普通に考えるとわかるようなことです。

どうしてこのような認識が起こるのか。簡単です。

 

 

マスコミがテレビで若者をこき下ろす道具としてゆとり教育を用いたからです。




人はいつでも優位に立ちたい

 

殺人事件が起こった時に、ニュースではその犯人はどんな人物だったかを掘り下げます。

 

もしかすると

その犯人は孤児で、小さい頃から親からの愛情を受けず、コミュニケーションが苦手で、学生時代もいつも一人でいた。

と言う様な情報が出てくるかもしれません。

 

そんな情報が出てくると、それを見る視聴者は安心します。

“じゃあ自分の子は安心だ。自分は安心だ”と。

 

この犯罪者と自分は違うんだと認識して、精神的優位に立つことで安心したいのです。

 

 

 

今のゆとり教育の認識が広がったのはそれに似ています。

 

今の若者はこんなありえないことをします!常識を知りません!

それはゆとり教育により子供の時から甘えているせいです!

 

と取り上げるニュースやバラエティを見ることで上の世代は安心するんです。

自分たちはしっかりと教育を受けてきたけど、若い世代はダメだ。

 

そう認識して、自分たちは正しくて間違っていなかったと優位に立ちたいんです。

 

 

 

テレビやマスコミが欲しいものは視聴者の正しい認識ではありません。

真相よりも視聴率を選ぶのがマスコミでありテレビです。

 

“円周率は3″なんて教育は受けていません。(未だに結構な桁まで言えます笑)

体育祭で手を繋いでゴールもありません。

タメ口で大丈夫と思っている同世代を見たこともありません。

 

全くのデタラメだらけなんですが、

残念ながらこの類のテレビ番組は、優位に立ちたい人のおかげで視聴率も伸びます。

 

結果的に同様の番組が多くなり、それを真に受けた多くの人が

ゆとり教育は失敗だと声をあげる様になったのです。

 

 

 

“今の若者はゆとり教育だから”という言葉は使うのはやめたほうが良いです。

 

マスコミに振り回されている自分の認識の甘さを露呈するようなものです。

 

 

 

終わりに

 

僕はゆとり世代ですが、学校卒業と同時に日本を出たこともあって、

周りから“ゆとり世代だから”と判断されたことは(覚えている限りでは)ないです。

 

この風評も幻だと思っているので、何か問題があった時にすぐゆとり教育に繋げてしまう人は

もしかしたら認識が甘い人かもと考えています。

 

そのため僕はこの風評被害に関しては怒りも何もないし、

言ってしまえば人間の本質的に理解できます。

 

 

しかし僕が危惧するのは、僕たちの世代がこの様な仕打ちを受けていると、

僕たち世代が上に立った時に同じことを次の世代にしてしまう人が出ることです。

 

その様な愚行をいつまでも繰り返しているだけでは、成長はありません。

 

 

 

 

もしもあなたがゆとり世代で、上の世代から“ゆとり世代だから”と言われることがあっても自信を持ちましょう。

相手が信じているのは幻想です。そして自分はそれを繰り返さない様にしてください。

しかし最初に書いた通り、そう言われてしまう原因は自分です。その注意がしっかりした具体性のあるものであれば、素直に反省して改善していきましょう。

その基本ができていなければゆとり教育関係なく、あなたの問題です。

 

 

 

そしてもしあなたが今まで“ゆとり世代だから”と若い人間を批判したことがあるのであれば、その批判に意味はないです。

世代を批判するのではなく、その人にどうしてダメなのか明確に伝えましょう。

それができなければアドバイスではないので、情報に振り回される人認定されても仕方ないかもしれません。

 

 

 

 

書いていて思ったんですが、昔はあったとしても

もしかしたら日本ではあまりもうゆとり世代批判の風潮は残っていないのかもしれません。笑

 

タイムリーな情報をコメントでも教えていただけるとありがたいです!

 







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